発生源は「6割不明」なのに飲食店を狙い撃ち。その理由も説明なし
幹事社2社の質問が終わり、ここからは挙手した記者を司会者が指名していく形式となり、3人目の質問者として読売新聞の記者が選ばれる。その質疑は以下の通り。
司会者(山田真貴子 内閣広報官):
「それでは幹事社以外の皆様からご質問頂きます。質問を希望される方は挙手をしてください。私が指名を致します(中略)なるべく多くの方にご質問頂けるよう、質問、1人1問として頂くようお願いします。」
読売新聞 クロミ記者:
「緊急事態宣言についてお伺い致します。総理はかねて緊急事態宣言についてはですね、経済への打撃が大きいということで慎重な立場でいらしたと思うんですけど、今回検討するに当たって、経済への打撃を和らげるための対策としてはどういったものを考えているんでしょうか。」
菅総理:
「
まず、この1年間、コロナ対策、コロナ問題に対応してくる中で学んできたことが、ここが明解になってるんです。この専門家の委員の方も申し上げ……、言ってますけど、やはり例えば東京ですけど、6割、このー、発生源を特定できない方がおります。まあ、その中で大部分は飲食の関係することだろう。専門委員の方はこう言っております。まあ、そうした中で飲食の感染リスクの軽減。ここをやはり実効的にするためにここは早急に検討したいというのが今の考え方です。そしてこのことについては北海道、大阪など、これは時間短縮、こうしたことを行った県では効果が出て、まあ、陽性者が下降になってきております。ただ東京とその近県3県が、あー、感染者が減少せずに高い水準になっているということもこれ、えー、事実であります。こうしたことをやはり深刻に考えてですね、より強いメッセージ、ここが必要だというふうに思いました。まあ、そうしたことを考える中で、えー、まずは最優先として行うべきというのは、そうしたそのウイルスの発生源がかなり多いと言われるそうした飲食、うー、そうしたことを中心にしっかり対応すべきかなというふうに思ってます。(
黄信号)」
「
緊急事態宣言による経済への打撃を和らげる対策」を問うたシンプルな質問だったのだが、
菅総理は全くかすりもしない内容を延々と述べている。具体的には、「飲食店の対策を優先した理由」という周知の事実を述べているだけであり、
黄信号とした。また、
「感染の発生源を特定できていない方が6割いる」と言いながら、感染原因を飲食店と断定するのは矛盾しているのではないか。
ここまでの回答内容から、今回の緊急事態宣言は飲食店を狙い撃ちしたものになることが伺えるが、
菅総理はなぜ飲食店の時短要請にこだわるのか論理的な説明を全くしないため、違和感ばかりが大きくなる。