こんな風景を目にすると、アート感覚がくすぐられてDIY心が弾む
都会にいると、実は新鮮さも美味しさもない食べものや、買ってはすぐ捨てることになる消費だけの虚しい暮らしで、お金は財布から出てゆくばかり。財布を埋め合わすためにツマラナイ仕事に今日も出かける。テレワークとて、似たり寄ったりだ。創ることを忘れた手・足・頭は、行き場所を失くして本来の営みを退化させ、悲しんでいる。そう、だから病が増える。
そろそろ、消費主義から抜け出してはどうか? 指でスマホを叩けば翌日には欲しいモノが届く。だがその充実感は、次に指でスマホをなぞる時には消え失せている。その瞬間、モノはゴミになり、またも人類が生き辛い未来を引き寄せる。その虚しい繰り返しを、俺たちはいつまで続けるのか。
指が土や木などの自然物に触った時、はたまた、綺麗な指から汚れる指に変わった時。指自身が本来の機能を取り戻して喜ぶと同時に、指の根本にある君自体に、喜びが呼び覚まされるだろう。
君の指はスマホだけに使う運命ではない。
【たまTSUKI物語 第29回】
<文/髙坂勝>
30歳で脱サラ。国内国外をさすらったのち、池袋の片隅で1人営むOrganic Bar
「たまにはTSUKIでも眺めましょ」(通称:たまTSUKI) を週4営業、世間からは「退職者量産Bar」と呼ばれる。休みの日には千葉県匝瑳市で NPO
「SOSA PROJECT」を創設して米作りや移住斡旋など地域おこしに取り組む。Barはオリンピックを前に15年目に「卒」業。現在は匝瑳市から「ナリワイ」「半農半X」「脱会社・脱消費・脱東京」「脱・経済成長」をテーマに活動する。(株)Re代表、関東学院経済学部非常勤講師、著書に
『次の時代を先に生きる』『減速して自由に生きる』(ともにちくま文庫)など。