新しい楽しみ方も生まれ、ますます活気づくサウナ界隈。新型コロナによって閉塞感を覚えることが多い今だからこそ有効に活用したいが、そんなサウナを楽しむうえで気にかけてほしいことがあると、前出の濡れ頭巾ちゃんは語る。
「今、世の中から寛容さがどんどん失われて、息苦しさが増していませんか? だから僕は、サウナくらい好きにやって、自分の快楽をとことん追求してみてほしいと思います。
たとえば水風呂の中で気持ちよくなったら、『ア~ッ』と声に出したっていいと思ってる。周りの目を気にするあまり、気持ちよさに没頭できないなんて本末転倒です。ダメなら謝ればいい。そういう寛容さがサウナを通じて広まればいいなって思います。
そもそもサウナでととのったー! という状態は、古い殻を脱ぎ捨て、新しい自分になったような状態です。こうなると開放感から細かいことは気にならなくなるはず。ととのうと他人に対してだけでなく、自分にも寛容になれます。これは自己肯定感を得られるということ。
常にゴキゲンでいるのって、生きていくうえでとても大事だと思うんです。サウナはそれを実現する絶好の場なので、いっぱいととのってほしいです」
身も心も温まり、幸せになれるサウナ。コロナの収束が見えないなか、サウナが日本全体を覆う重苦しい空気をはねのけて、2021年をよい1年にととのえてほしいものだ。
寺サウナのイベント風景
熱したサウナストーンに液体を掛けることで発生する熱波を全身に浴びるローリュー。体感温度が高まることで「より深い“ととのい”を得られる」と愛好家の人気を呼び、店舗側の集客イベントになっている。
30分に1回と高頻度に開催したり、ブロワーといった機器を導入するなど競争が激化している。
<取材・文/浜田盛太郎 撮影/ヤナガワゴ-ッ 取材協力/一般社団法人フィンランドサウナクラブ>