コロナ禍でもブームの火は消えず。サウナが日本を救う!
プロサウナー・濡れ頭巾ちゃん
取材は長野県南佐久郡小海町にあるフィンランドヴィレッジにて敢行。SAUNA FES JAPANの会場として知られ、サウナマニア垂涎の的だ
「すごく気持ちがいいっ! この季節の外気浴は何物にも代えがたいですね」
ほんのり雪化粧が施された八ヶ岳を望む、長野県南佐久郡小海町にあるフィンランドビレッジ。恍惚の表情で語るのは、プロサウナーとして活躍する濡れ頭巾ちゃんだ。
サウナブームを象徴する言葉といえば、サウナと水風呂の寒暖差によって得られる独特の感覚を言語化した「ととのう」が知られているが、濡れ頭巾ちゃんはその生みの親だ。
「ととのう、という言葉が生まれたのはもう10年以上も前のことになります。上富良野に白銀荘というサウナ施設があるんですけど、そこでサウナを堪能し、キンキンの水風呂と外気浴をたっぷり楽しんでから下山して友人らと焼き肉を食べていたんですね。そうしたらもう幸せが爆発して。サウナ後のこの気持ちよい状態に名前をつけようという話になり、口をついて出たのが『ととのったー!』でした。
思えば僕は当時からプロサウナー、なんて冗談めかして名乗っていたけど、今や本当にサウナに入ってしゃべるだけでおこづかいがもらえるプロサウナーになってしまった。人生わからないものです(笑)」
事実、ここ最近のサウナブームはとどまるところを知らない。経済アナリストの森永康平氏が語る。
「まったくサウナに興味がなかった自分ですら、このコロナ禍に友人から誘われて3度もサウナに行きました。現在猛威をふるっているコロナの第3波は『乾燥と低温』の影響が大きいと考えられますが、温度も湿度も高いサウナはまったく逆。こうした点が他のアクティビティより受け入れられやすいのかもしれません。
M&A CAPITAL PARTNERSが発表している資料によると、日本の温浴施設の市場規模は1兆1000億円ほどのようですが、サウナブームが牽引するかたちで市場は拡大していくかもしれませんね」