神奈川県警の「犯罪防止キャンペーン」協力のオープンハウス、特殊詐欺容疑で社員2人が逮捕されていた

公表されなかった逮捕された2人がオープンハウスの社員だったこと

オープンハウス本社ビルが入居する高層ビル(東京都千代田区)

オープンハウス本社ビルが入居する高層ビル(東京都千代田区)

 不動産大手オープンハウスの現職営業社員2人(現在はすでに免職)が、特殊詐欺をはたらいたとして詐欺・窃盗の罪で起訴され、現在東京地裁で公判中だ。同社は2019年から2020年にかけて神奈川県警との協力による「振り込め詐欺防止キャンペーン」を実施。こともあろうに、被害防止を呼びかけた大企業の従業員が、犯行に加担した容疑で逮捕されるという前代未聞の事態になっている。 ※特殊詐欺とは、犯人が電話やハガキ(封書)等で親族や公共機関の職員等を名乗って被害者を信じ込ませ、現金やキャッシュカードをだまし取ったり、医療費の還付金が受け取れるなどと言ってATMを操作させ、犯人の口座に送金させる犯罪(現金等を脅し取る恐喝や隙を見てキャッシュカード等をすり替えて盗み取る詐欺盗(窃盗)を含む。)のことです。(警視庁ウェブサイトによる説明)  社員逮捕が発覚したのは2020年6月15日、連続振り込め詐欺事件の容疑で男性3人を逮捕したと警視庁捜査本部が発表したとのニュースだった。発表によれば逮捕者は3人。松本和義、小山龍耶、北野映喜の3氏。  この中の北野氏がオープンハウス上大岡営業センター所属の営業マンだ。千葉県内の高齢者にウソの電話をかけて銀行の通帳やカードをだまし取り、それを使って金を盗んだ詐欺と窃盗の容疑がかけられている。  これに続いて、7月30日には4人目の容疑者として林健二氏が逮捕される。彼もまたオープンハウスの現職社員だった。保土ケ谷営業センタ-に所属していた。千葉県内の別の高齢者を狙い、通帳・キャッシュカードをだまし取る手口で現金を盗んだ詐欺・窃盗の容疑である。  北野、林両氏がオープンハウス社員であることは、いっさい公表されていない。警察は2人の職業を「会社員」と発表し、新聞やテレビも「会社員」とだけ伝えた。だが、2人と面識のある顧客の目はごまかせなかった。  オープンハウスは営業社員の顔写真や経歴、自己紹介文をホームページで公開していて、北野氏が逮捕されたときはまだ彼の顔がホームページに載ったままだった。林氏の紹介ページは逮捕時には削除ずみだったが、逮捕・連行される様子がテレビ報道された。それを見た顧客は「まちがいない。北野氏も林氏もオープンハウスの社員だ」と断言した。

関連する5件の事件のうち、少なくとも3件に関与

警視庁捜査本部が記者クラブメディアに提供した、特殊詐欺容疑者逮捕の報道発表文

警視庁捜査本部が記者クラブメディアに提供した、特殊詐欺容疑者逮捕の報道発表文
。4人のうち北野氏と林氏はオープンハウスの現職社員だった(情報公開請求による開示資料。黒塗りは警視庁が行った)

 逮捕された4人は、その後詐欺および窃盗罪で起訴され、2020年10月から東京地裁で公判が始まっている。追起訴が繰り返されており、事件の全容はまだわからない。現段階までに起訴された内容によれば、関連する事件は5件。4人の被告人は全面的に起訴事実を認めている。5件の事件のうちオープンハウスの2人の関与がはっきりしているのは以下の3件だ。 ①被害者A江さん(82歳、千葉県酒々市)/被害額87万6000円、通帳、キャッシュカード ②被害者B子さん(78歳、千葉県鴨川市)/被害額9万1000円、通帳、キャッシュカード ③被害者C実さん(84歳、茨城県取手市)/被害額97万円、通帳、キャッシュカード  また4件目の事件として、千葉県香取市の80歳の高齢者から通帳とキャッシュカードを詐取し、金の引き出しには失敗した犯行。5件目の事件として、千葉市の80歳の女性から260万円をだまし取った犯行がある。これらは松本・小山氏のみが起訴されており、オープンハウスの2人の関与があったかどうかは現段階ではわからない。  小山氏の自宅などから押収されたパソコンから被害者とみられる名簿が見つかっており、今後、被害の状況はさらに拡大すると思われる。
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役場職員や銀行員になりすまして通帳・カードをだまし取っていた
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