大学入試改革の1年を振り返る。記述式の問題は結局どうなったのか

今後の大学入試における「記述式」の問題について

 1年間かけて議論してきた「記述式」の問題ですが、「大学入試において記述式の出題をすべきである」というものの、「共通テストで記述式を出題する」ことが根本的な解決策にならないということが、この会議ではっきりしてきました。  もちろん、記述式を実施することの困難さも指摘されています。したがって、今のこの会議の感触では、よほど外部から力が働かない限り、共通テストで記述式の問題が出題されることはないように思われます。  さて、会議では触れられていませんが、共通テストには「数学IIIの問題が出題されていない」という問題があります。これまでも触れましたが、理系の入試の場合は、共通テストに「数学III」という理系にとって重要な科目がなければ不十分です。これは、高校入試で出題範囲が「中学2年生の範囲まで」、中学入試で出題範囲が「小学校4年生の範囲まで」とするようなものです。共通テストが現在のような役割であるならば、まだ目をつむることはできますが、共通テストだけで大学入試の代わりにするというのであれば、試験として欠陥があります。今後、この会議の委員がこのようなことに気がついてもらえるとよいのですが。 <文/清史弘>
せいふみひろ●Twitter ID:@f_sei。数学教育研究所代表取締役・認定NPO法人数理の翼顧問・予備校講師・作曲家。小学校、中学校、高校、大学、塾、予備校で教壇に立った経験をもつ数学教育の研究者。著書は30冊以上に及ぶ受験参考書と数学小説「数学の幸せ物語(前編・後編)」(現代数学社) 、数学雑誌「数学の翼」(数学教育研究所) 等。 
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