1分足という短い時間足のチャートでも、1日分のローソクを一画面に表示できれば、一目でその日のトレンドや高値・安値の節目が確認できるのだ。その極小1分足チャートで、どのようにトレードするのか?
「トレンド発生時には必ず1回は調整が入るもの。だから、トレンドが出たら一呼吸おいてから押し目買いや戻り売りを狙うんです。最近でいえば、米製薬大手のファイザーのワクチン報道で米ドル/円が急騰しましたが、まずは1分足の押し目を狙ってロング(買い)で回転させました。
ティックチャートも確認して、ティックが横這いに推移し始めたら押し目終了のサインなので買い。利益確定は欲張らず3~5pips程度。含み損が膨らむようならナンピンしていく。ナンピンを続けて1000枚以上のポジションを抱えることもありますが、細かくポジション量を調整して大やけどを避けています。これを5分足レベルの押し目が来るまでガンガン回転させるんです」
上昇トレンドでは押し目買いのスタンスだが、2、3度目の押し目形成時には反落リスクを念頭に、逆張りの売りで入ることもしばしば。節目の手前で値動きが横這いになったら高値圏での売り、安値付近では買いを入れるレンジトレードで、小刻みに値幅を稼ぐべし。含み損を抱えてもナンピンで数pipsの値幅を狙うトレードに注力すれば大やけどのリスクはナシ?
ファイザー報道での上昇相場では、途中から目線を買いから売りへと転換させている。その理由は?
「1分足を見ながらも5分足や15分足レベルの波を意識しています。上位足のトレンドが前回高値などに達して『行きすぎだろう』と思ったら、深押しを警戒し、売り目線に転換です。2度目、3度目の押し目形成時も買いを見送ることが多い」
こうした判断の背景にあるのは、自身の“体質”だという。
「周りには平気で1000万円単位の含み損を抱えるトレーダーもいますが、自分は絶対耐えられない(苦笑)。ビビりだから最悪のパターンを想定してエントリーし、含み損が膨らみ始めたら即損切りする。ビビりだから勉強も努力もしてきた。トレードノートはもう30冊目になります。ビビりなりに研究を続けてきたおかげで、年間成績でマイナスになったことはないんです」
時間に関係なく、値動きに応じて上下動するティックチャート。このように細かい値幅でジグザグに上下動を繰り返し始めたら調整一巡のサインに。仮に、ジグザグポイントを下抜けたら損切りのタイミングと考えよう
着実に数pipsを抜くのにも修練が欠かせないのだ。
<大荒れ相場の極意>トレンド発生後の最初の押し目・戻りを着実に拾うべし!
【リョージ氏】
’11年にFXを始め、2年目に200万円の利益を稼ぎ専業へ転向。スキャルピング取引を得意とし、現在までの利益は4億円近い。ツイッターは「
@fxtengoku」。YouTubeのチャンネルは「
リョージFX」。
<取材・文/高城 泰(ミドルマン) 櫻井一樹 図版/ミューズグラフィック チャート提供/
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