まず、京都新聞 国貞記者は、日本学術会議の任命見送りを判断した際、これほどアカデミズムからの反発が広がると思っていたのかを質問。その質疑は以下の通り。
京都新聞 国貞記者:「すいません。京都新聞の国貞と申します。日本学術会議のですね、ことで、あのー、関連でお伺いします。えー、先日ですね、あの、人文社会系のですね、310の学協会が、えー、任命拒否を撤回するように、あのー、声明を出したんですけども、あのー、総理はですね、先ほども、その、おー、国会で丁寧に説明をされているということをおっしゃったわけですけれども、あのー、
アカデミズムからの反発っていうものは、えー、まあ、現状では止まっていないと思うんです。率直にですね、あの、任命見送りをですね、判断された時に、えー、これほどまでですね、
反発が広がると思っていたのかどうか。で、また、あのー、これほどまでですね、
アカデミズムの方が反発をしているということに関して、どう思われているか、認識をよろしくお願いします。」
菅総理:
「
えー、まず、私自身が、この任命、えー、の問題でありますけども、先ほど申し上げましたように、任命者、権者として、内閣法制局の了解を得た政府の一貫の考え方というのは、必ずしも推薦通りに任命しなければならないというわけじゃないということが、これ、まずは大前提です。まあ、そういう中で、えー、学術会議そのものについて、えー、これで良いのかということを私は官房長官の時から考えてきました。(
黄信号)
それは、日本に研究者と言われる方が90万人いらっしゃいます。その中で学術会議に入られる方というのは、まさに現職の会員の方が、えー、210人おります。また、それを、おー、連携会員の方が2000名おります。そうした方の推薦が無ければ、これ、なれないわけでありますから、これは、19、あのー、49年ですかね、この組織ができてから。ですから、多くの、おー、関係者の方がたくさんいて、新しい方がなかなか入れないというのも、これは現実だという風に思っています。(
黄信号)
まあ、そういう中で私自身は、縦割り、あるいは既得権益、悪しき前例主義。そうしたものを打破したい。こうしたことを、まあ、掲げて、自民党総裁選挙も当選をさせて頂きました。この、そういう中で、その、学術会議はですね、えー、また新しい方向に向かった方が良いのではないかなという、そうした、あー、意味合いの中でですね、えー、この、ない、内閣法制局の了解を得て一貫した考えのもとで、ここは自ら、まあ、判断をさせて頂いたと、まあ、そういうことであります。(
黄信号)
それで、これだけ大きくなるかどうかということでありますけども、まあ、私は、かなり、なるんじゃないかなという風には思ってました。(
青信号)」
*4段落目の青信号は
笑みを浮かべながら回答
まず、1段落目、2段落目、3段落目はこれまでの答弁でも繰り返されてきた
周知の事実を述べているだけのため、黄信号とした。
1段落目、3段落目:任命拒否に至った経緯
2段落目:日本学術会議の構成
そして、注目すべきは4段落目の青信号。ここまでの会見中では笑みをこぼす場面はほとんど無かったのだが、
「かなり(反発は大きく)なるんじゃないかなと思っていた」という趣旨の内容を菅総理はなぜか笑いながら回答。これほど大きな問題になっているのに、菅総理はなぜ笑っているのか。反発を予想した上で任命拒否を強行したことで自らの権力の大きさを実感できたからなのか真意は不明だが、この場面に漂う違和感は非常に大きい。
*この場面は、筆者のYouTubeチャンネル「赤黄青で国会ウォッチ」で公開している動画「
【任命拒否への反発はかなり大きくなると思っていた】2020年12月4日 菅総理記者会見」の3分21秒から確認できる。