筆者のYouTubeチャンネルより
2020年12月4日、
菅義偉総理は国会が事実上閉会したことで就任以来2回目の記者会見をようやく開いた。これまで質問者をわずか3名に絞った「
グループインタビュー」と称する閉鎖的な質疑応答の場はあったものの、記者会見については9月16日の就任時に開いた1回目から実に2ヶ月半ぶりであった。だが、今回の1時間弱の記者会見においても、
幹事社からの質問は事前に提出されており、菅総理は用意された原稿を読みながら答える「朗読会」と言って差し支えない状況であった。
そんな記者会見ではあったが、終盤の2問は注目を集めた。日本学術会議の任命拒否の反発を予想していたかという問いに対して、
菅総理はなぜか笑いながら「かなり(反発は)大きくなると思っていた」と回答。また、海外メディア特派員が
GoToトラベルの推進と二階俊博幹事長が全国旅行業協会会長であることの関係性に切り込む質問も初めてなされた。この癒着とも呼べる関係性は周知の事実だが、これまで菅総理に質問できる立場にあった国内の大手メディアが質問することはなく、この問題に対する菅総理の見解が初めて語られることとなった。
本記事では、約7分間に及んだ終盤のこれら2問の質疑を一字一句漏らさずにノーカットで信号機で直感的に視覚化していく。具体的には、信号機のように3色(
青はOK、
黄は注意、
赤はダメ)で直感的に視覚化する。(※なお、色表示は配信先では表示されないため、発言段落の後に( )で表記している。色で確認する場合は本体サイトでご確認ください)
終盤の2問の質問に対する菅総理の回答を集計した結果、下記の円グラフのようになった。
<色別集計・結果>
●菅総理:
黄信号81%
青信号12%
灰色8%
*小数点以下を四捨五入しているため、合計は必ずしも100%にはならない
黄信号が8割を占めており、
青信号は1割しかない。つまり、
質問にはほとんど答えていない。だが、この1割の
青信号に注目を集めた回答が含まれていた。いったいどのような質疑だったのか詳しく見ていきたい。
また、実際の映像は筆者のYoutubeチャンネル「赤黄青で国会ウォッチ」で公開している動画「
【任命拒否への反発はかなり大きくなると思っていた】2020年12月4日 菅総理記者会見」で視聴できる。
さてそれでは、記者の質疑とそれに対する菅総理の答弁を文字起こしし、信号無視話法分析で可視化してみよう。