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破滅的エピデミックの加速がなぜかひとまず止まった11月末
前回の記事から既に10日ほど経過しましたが、統計の乱れの中に原因不明のエピデミック進行にブレーキがかかる現象があり、評価にはあとしばらくかかると記述しましたが、現状は概ね把握でき且つ、原因も推測できました。今回は、それらを中心に論じます。
11月連休前の筆者の控えめな見積もりでは、倍加時間14日として11月末に日毎新規感染者数は、人口の25ppmとなり、年末の御用納めの頃には100ppmとなって、本邦は欧州の10月初めと同様になり、謎々効果も無効となって1月は地上の地獄となる可能性を示唆していました。
しかし11/21からの三連休を過ぎて、突然、日毎新規感染者数の増加傾向が急減速し、第3波エピデミックは、峠を越えたという評価をする方も現れました。その見方も正当性はあったのですが、今回はその変化の理由が全くわからず、しかも統計の乱れによって傾向の見極めも困難として判断保留としたのが前回記事の結びとなりました。
今回、いつも使っている
Our World in DATA(OWID)においてCOVID-19では、統計のデータソースが変更になったことと、それに伴う全統計の更新によって統計の乱れがほぼ一掃されたこと、時間の経過によって本邦の第3波エピデミックSurgeについて非常に分かりやすくなりました。まず日毎新規感染者の日韓統計をRaw DATAと7日移動平均で示します。
日本と韓国における100万人当たり新規感染者数の推移(ppm 7日移動平均)
データソースはJohns Hopkins University(JHU)
OWID
日本と韓国における100万人当たり新規感染者数の推移(ppm Raw DATA)2020/01/23-2020/12/09
たいへんに綺麗な曜日変動と休日・祝日の効果が見出せる
データソースはJohns Hopkins University(JHU)
OWID
(前回再掲)日本と韓国における100万人当たり新規感染者数の推移(ppm Raw DATA)
統計の乱れが激しく、傾向が見出し難い
2020/03/01-2020/11/28
データソースはECDC
OWID
7日移動平均を見ると、11/23を境に本邦の日毎新規感染者数は、減少、横ばい、再増加、横ばいと複雑な挙動をしています。ここから法則性を見出すことは難しいのですが、幸い、データソースがECDCからJHUに変更となったことで本邦のデータ提出遅れによる統計の乱れが一掃されました*。この為、今日では7日移動平均を取っていないRaw DATAでも傾向をみることが容易となっています。
〈*合衆国東海岸時間は、欧州中央時より6時間遅れており、本邦のデータ提出が遅刻し難いことと、JHUが遅刻データの復原をしているものと考えられる〉