さて、本邦における第3波COVID-19エピデミックSurgeは、11/24より急ブレーキがかかっています。既述のようにこの現象に対応して誤差を入れて11/14±2日から本邦市民に感染リスクを激減させる行動変容が継続的且つ全国的に生じたと考えられます。しかもBig DATAによるモビリティの全体変化に現れ難い形でです。
この条件に適合性が高いのは、Go To Eat Pointであると筆者は考えます。もちろん現時点では証拠不足ですので、あくまで仮説に過ぎません。しかし、経済対策の目玉であったGo To Eat Pointが予算の追加無く突然終了してしまったこと*、新型コロナウイルス感染症対策分科会が11/12に開催されている**など非常に胡散臭いです。
〈*Go To Travelが示すように、本来は予算が追加されるものである〉
〈**相変わらず禄な資料が公開されておらず、透明性がきわめて低く論外である〉
英国のEat Out Help Outや、合衆国の大失敗を見ればわかるように、
市民の大規模な行動変容を伴う経済振興施策は、大規模なエピデミックSurgeの引き金になる可能性があります。
本邦における第3波エピデミックSurgeについては、
今回の失敗を透明性確保の上で解明せねば、また同じことを起すことになります。なお、今回一旦急ブレーキのかかった第3波エピデミックSurgeですが、残念ながら収束には向かわず、日毎新規感染者が20ppmと高止まりしたまま再度増加の傾向を見せています。結果、医療現場には高い圧力がかかり続け、ウィルスに医療が圧倒される危機は、ますます高まっています。
倍加時間そのものは最盛期の11-12日と言う危険な状況に戻るかはわかりませんが、情報が不透明なままだと市民は2〜4週間程度で自粛疲れを起します。またこれから気候は寒くなるため、屋内活動が多くなり且つ、クリスマスと年末年始と言う移動傾向と対人接触を大きく増す大型イベントが控えています。
日本政府と大多数の自治体は、これまで失敗ばかり積み重ねてきており、せっかく謎々効果で守られている本邦を東部アジア・大洋州諸国の中でワースト4にしてしまっています。既に
謎々効果による優位性は乏しくなってきており、このままでは謎々効果のない欧州の仲間入りもあり得ます。
東部アジア・大洋州諸国における百万人当たり日毎新規感染者数(ppm 7日移動平均)
OWID
「ワクチン」が届くまでに日本はどうなってしまうのか
英国ではすでにワクチン優先接種が始まり、合衆国やカナダでもまもなく優先接種が始まりますが、これも本邦では透明性が著しく低く何をどうしようとしているのかわかりませんし、COVID-19ワクチンは、初回接種から免疫完成までには6〜8週間かかるとされています*。合衆国では12/10夕刻にFDA(食品医薬局)によりファイザーのワクチンが緊急認可されましたが、ワクチン接種の効果が社会的免疫として発現し始めるまでには4月までを要するようです**。
〈*ファイザー、モデルナ、アストラゼネカのCOVID-19ワクチンは、第1回接種の4週間後にブースター接種を行い、その2〜4週間後に免疫が完成するとされている。結果、接種による免疫完成には6〜8週間を要するとされる。また、BBC Hard Talk中のファウチ博士発言によると、集団免疫の完成には接種率75%という達成困難な高い接種率を要する〉
〈CNN Tonight Don Lemon 2020/12/10 (EST)番組中の専門家発言より筆者試算〉
ワクチンと言う騎兵隊はまもなく到着しますが、
せっかく騎兵隊が到着しても既に黒焦げの焼け野原か火の海と言う情けないことにならないよう、日本政府は現在の反科学・エセ医療政策から直ちに脱却せねばなりません。ホワイトハウスの反科学政策で混乱の極みにある合衆国は、2021/01/20正午を持って一変する予定です。
◆コロラド博士の「私はこの分野は専門外なのですが」新型コロナ感染症シリーズ33:迫り来る地獄4
<文/牧田寛>