データでわかる、「GoToEat」の過ちと、菅政権・自公維新の無責任

統計の示す現実は何か

 ここまでで、11月下旬の3連休明け後に本邦におけるエピデミックSurgeは、その勢力を大きく減じたことを示してきました。これはどのような現実を示しているのでしょうか。  実は、統計に現れる新規感染者の発生は、約2週間前に生じた現象を示しています。COVID-19は、ウィルスに暴露されるとすぐに発病する訳ではありません。ウィルスへの暴露をDay 0とすると発病する場合は平均して次のような推移を辿ります。ウィルスに感染した人の7〜8割程度は、発症しないとされています。 Day 0 ウィルスに暴露 Day 3〜4無症状感染者としてウィルスをまき散らす(発病しなければウィルスの拡散者にならないとされる)。PCR検査、で陽性反応となる。遅れて抗原検査でも陽性反応となる。 Day 5発症(発症直前にウィルス拡散能力が最大となる) Day 8〜10本邦ではこの頃に行政検査・医師会検査が行われる Day 9〜12本邦では、この頃に統計に反映される Day 15以降 PCR検査、抗原検査による感染検出が困難となる。抗体検査の併用が好ましくなる。ウィルス拡散能力は大きく低下する  統計からは、二週間変化率が大きく減少し始めたのが11/24です。この9〜12日前は、11/12〜15となります。ここで大勢市民で行動が大きく変容した何かが発生したと考えるのが妥当です。そこで移動傾向(モビリティ)を見ますが、日本全体、主要都市で11月中旬に移動傾向が大きく変わった事実はありません。札幌市は、医療が破綻するほどのエピデミックSurgeに見舞われて、移動傾向が下がっていましたが、これは例外です。移動傾向は関係ないことが統計からはわかりました。
日本全体の移動傾向

日本全体の移動傾向
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東京都区部の移動傾向

東京都区部の移動傾向
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札幌市の移動傾向

札幌市の移動傾向
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 筆者はここで困ってしまいましたが、ここで11/14にGo To Eatのポイント事業が突然中止になったということをzoom会議中に友人が教えてくれました。ああ、それだ・・・・・。

欧米でも「GoToEat」様は感染拡大に繋がっている

 良く知られるようにGo To Eat Point (GTEP)事業では、制度設計が甘かった為に使った金額以上のポイントがゲットできるなどでポイント錬金術があっという間に広がり、10月中旬にはポイント還元の見直しが行われています*。 〈*GoToイート、一部見直し検討 「錬金術」批判を受け2020/10/07朝日新聞〉  実は、屋内のレストランは、BarやKaraokeと並んで、最悪のウィルス感染の場になり得るとして米欧ではオープンカフェ、テイクアウト(お持ち帰り)、デリバリー(出前)への業態転換が強く進められ、屋内営業は厳しく規制されてきました。そういった中で英国ではGo To Eat事業に類似した”Eat Out Help Out”事業が8月限定で実施され「大成功」しました*が、その後英国は深刻な第2波エピデミックSurgeに見舞われ、”Eat Out Help Out”事業がその大きな一因でないかと指摘されていました。結局10/4にBBCの討論番組中でボリス・ジョンソン首相は、”Eat Out Help Out”事業がウィルス拡散の一因となったことを認めました**。英国は9月中旬から社会的行動制限を段階的に発動しましたが、遂に11/2から4週間のロックダウンを大部分の地域で再導入することとなりました。結局”Eat Out Help Out”事業の成果は9月10月に吹き飛んでしまい、成果はマイナスとなってしまいました。 〈*Eat Out to Help Out: Diners claim 100 million meals in August 2020/09/03 BBC〉 〈**イギリス版Go To Eatが「コロナ感染拡大の一因に」、英首相認める 2020/10/08 ニューズウィーク日本版日本はまだ「GoTo」推進するの? 英仏の失敗例に学ぶべし2020/11/14日刊ゲンダイDIGITAL
英国、日本、韓国における百万人当たり日毎新規感染者数の推移(ppm 7日移動平均)

英国、日本、韓国における百万人当たり日毎新規感染者数の推移(ppm 7日移動平均)
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 本邦のGo To Eat Point事業は、その還元率の高さから大人気で家族連れや仲間同士で外食に繰り出す人がたいへんに多く、TwitterなどのSNSでも、「戦果」を誇る発言がたいへんに多く見られました。筆者は、合衆国ですらBar, Karaoke, 屋内営業のレストランには厳しい規制(レストランの屋内営業には定員の20%程度を上限とする事例が多い)がなされ、エピデミックSurgeが起これば真っ先に営業中止となる実態を毎日CNNやBBCの報道で見ています*ので、「大丈夫かな、まずいな」と警戒していました。家族サーヴィスなど動機はとても良く理解できますが、3週間後が怖いのです。ごちそうを楽しんだ後に、ICU(集中治療室)の中で横たわることになったら目も当てられません。 〈*Restaurant dining linked to Covid-19 risk in CDC study 2020/09/11 CNN〉  本邦と異なり合衆国では、CDC(合衆国疾病予防対策センター)がレストランだけでなく社会活動上での感染リスク*や、レストラン運営上のガイダンス**を詳細に公開しています。トランプ政権は経済再開に軸足を置いていますし、合衆国市民は私権への公権力の介入を極端に嫌います。であるからこそ、政府は市民に対して情報とガイダンスを積極的に公開しています。 〈*Community and Close Contact Exposures Associated with COVID-19 Among Symptomatic Adults ≥18 Years in 11 Outpatient Health Care Facilities — 2020/09/11 MMWR〉 〈**Considerations for Restaurants and Bars 2020/11/18 CDC〉  そういったリスクを伴う事業が、Go To Eatなのですが、特に還元率の高いGo To Eat Pointは短期間での利用者がたいへんに多いものでした。結果として事業費616億円を使い尽くし当初1月下旬までの事業予定が突然11/14から順次中止となってしまいました*。一部、11月末まで事業継続していた事業者もありましたが、殆どの事業者は、11/14〜16に事業終了しています。延べ利用者は、少なくとも7,000万〜8,000万人程度と推測され、事業としては大成功と言えます。 〈*GoToイート早くも終了へ ポイント付与、予算底つく2020/11/13朝日新聞
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急ブレーキはあったがいまだ感染拡大は止まらず
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