住宅ローン破綻で’21年春に中古マンションが値下がりする? 狙い目のエリアとは

 住宅ローンを「ボーナス月払い」にしている人にとってこの12月は地獄だろう。残業代カットや失職により持ち家の処分を考え始める人も少なくない。中古市場で何が起きるのか。

約2割がコロナで収入減。カツカツの住宅ローンはもう返せない

中古マンション

写真はイメージです(以下同)

 冬になって第3波が到来し、感染拡大が続くコロナ禍は、いよいよ人々から住まいを奪い取り始めた。  住宅金融支援機構によると、同機構のコールセンターに寄せられた返済方法変更などの相談件数は、コロナショック直後の2月にはわずか15件だったのが、4月には1158件に急増。直近の10月でも225件の相談があったという。  一方、2月にはゼロだった「返済方法変更の承認件数(返済の一時的な猶予や返済方法の見直し)」では、5月に1006件へと急増し、翌月には1483件とピークを迎え、3月~10月までの累計は6531件となった。  背景にあるのはコロナ禍による収入減だ。10月に日本生命が全国約2万5000人を対象に行った調査によると、約2割の人が新型コロナによって「月収が減った」と回答。減少額の平均は約10万円だった。  収入に対してカツカツの住宅ローンを組んでいる場合、月10万円の減収となれば、ローンの返済方法変更だけでなく、自宅を手放さなければならない事態になることも想像に難くない。

残業代ゼロ・冬のボーナス激減で住宅ローンが払えない!

 6年前に都内湾岸エリアのタワーマンションを約6300万円で購入した重機メーカー勤務の男性(43歳)は、窮状をこう明かす。 「ウチの業界はコロナ直撃というわけではありませんが、リモートワークになって残業がゼロになったせいで、月収で8万円ほど下がりました。通信大手に派遣され事務員として働いていた妻も、リモート化によって社内業務が減ったことで6月に派遣切りに遭い、次の派遣先がまだ決まっていない。世帯収入では30万円弱のマイナスです。  毎月のローン返済額は約14万円で、月に10万円ほどは貯蓄に回せていた我が家ですが、一気に20万円の赤字に転落してしまった。マンションの売却について妻と話し始めたところです」  4年前、約4500万円で東京郊外の戸建て物件を購入した某鉄道事業者のグループ企業に勤務する男性(38歳)の表情も暗い。 「コロナで業績が悪化したウチの会社では、今年の冬のボーナスは約4割減になるといわれていて、手取り額では35万円程度になる見込みです。12月は住宅ローンのボーナス払い月なので、普段の約3倍の約48万円を返済しなければならない。  ほかにも自動車ローンもボーナス払いにしているし、年末年始は2人の子供にも何かとカネがかかるので、かなり厳しい。夏のボーナスまでに業績が回復しているとも思えず、いっそのこと家を売って賃貸に住み替えようかと考えています」  コロナ禍で苦しい思いをする人がいるなか、皮肉な話ではあるが、こうした一部の人たちの住宅危機は、これから住宅を購入しようとする人たちにとってはチャンスとなる可能性もある。  原則として、住宅ローンの返済中は物件の売却ができないが、経済的な理由からローンの返済が不可能となり、返済中の金融機関の合意の下で売却される「任意売却(任売)」が増えれば、市場に多くの物件が出回ることになるからだ。
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競売物件も首都圏では軒並み2割以上の増加
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