ここまでくると、傍聴席にいる女性陣たちの眼差しはかなり鋭いものになってくる。ゴキブリを通り越して生ゴミを見ているような感じ。生き物として認めていないのかもしれない。自分がもしも性犯罪に問われ、法廷に立つとなったらどう思うだろうか。やはり傍聴席に女性はいてほしくないだろう。これほど重い犯罪であればもはや女性も男性も関係ないだろうが、仮に「おパンツ泥棒」だとしたら。なんでおパンツを盗んだんですかって。そよ風に乗っていい匂いがしたのでつい……とかだろうか。
もし自分が「おパンツ泥棒」で逮捕されたとしても、そこらへんにいるオヤジに知られるくらいならまだ平気だ。しかし、女性に見られるのはツラい。そして、今後同じ犯罪をしないようにどうするかと聞かれるのだ。「今後はもうおパンツのことは考えないように努力します」。それくらいしか思いつかない。では、被告人は少女に欲情しないためにどうするっていうんだろう?
「18才未満の女性とは関わり自体を持たないようにします。今後は実家に戻りイチからやり直したいと思う。18才未満も以上も、ネットではこれ以降、体の関係は持ちません。ネットで会おうとしなくてもできると思っています」
なんと男は、ネットを使わなくても女性と関係を持つことはできると思っていると強気の発言。はたしてこの不健康男は四国で真実の愛を見つけることはできるのだろうか。前科者でも恋愛するのは自由だが、まずは四国八十八ヶ所でも巡って煩悩を消し去ってからだと思う。もちろん徒歩だ。
1週間後、判決を聞きに同じ法廷を訪れると、ダボダボのスラックスにヨレヨレのワイシャツ。顔色は真っ青で目は半開き、腰を折り曲げながら座る男の姿があった。前回とまったくもって同じである。判決は安定の、懲役1年6カ月、執行猶予3年だった。立件は1件とはいえ、約50人の未成年を買春しているのである。ノコノコと四国になんか帰らせていいのだろうか。甚だ疑問である。
<取材・文/國友公司>