人為的に進む温暖化。止めるカギは、土壌と樹木を大切にすることにあった

人為的に進めてしまっている地球温暖化

真夏日イメージ 地球が温暖化していることは事実だろう。海水の温度が高温化して、台風が強烈なものに発達しやすくなった。今回の台風10号は「かつてないほどの」という形容詞が多用され、今年の夏は真夏日ばかりだった。  それよりもっと心配なことがある。永久凍土のシベリアの氷はとんどん溶けて、その下に眠っているメタンガス(メタンハイドレート)が噴出しつつあるということだ。  シベリアとメタンハイドレート溶融、そして温暖化と揃えば、2億5000年前に起こった地球上の生物の95%が絶滅したと言われる「大量絶滅期」を思い起こさせる。そのきっかけは、大地のマントル対流の地上への吹き出しだった。その熱の一部が地中に溜まっていたメタンハイドレートを燃やし、さらにその温度上昇がメタンハイドレートを噴出させたと言われている。  これによって大気中の酸素濃度は30%から10%にまで一気に減少した。そのため、低酸素の状況でも生きられるように呼吸の仕組みを進化させた生物だけが生き延びた。 *このことはNHK番組「地球大進化」が詳しく取り上げている。  地球の温度変化の要因は、外的な要因として惑星の衝突、宇宙空間からの放射線や宇宙線の到来、地球内部からの要因としてマントルの「スーパーブルーム」熱の噴出がある。  地球の温度に影響が大きいのは、地球に届く太陽からの熱の変化と反射率(アルベドという)と、地球から宇宙に放出される赤外線熱を妨げる二酸化炭素やメタンなどの温室効果によるもの。気体がまさにビニールハウスのように、放出を妨げるためだ。  私たちは今、この歴史的事実に新たに一つの事実を加えようとしている。大気中の温室効果ガスを人為的に進めてしまっているのだ。二酸化炭素による地球温暖化は確かに起こる。二酸化炭素のような気体が原因で地球温暖化が起こるのは間違いない。

排出の最大の原因は、既得権益に守られた企業

日本の二酸化炭素排出割合 それを日本で見てみると、巨大企業による超大口の二酸化炭素排出が全体の半分を占めていて、私たち一般家庭の排出など多くはない。だから家庭からの温室効果ガス排出抑制に大した期待はできないのだが、「二酸化炭素の排出だけが原因」とはしたくない。そう言った途端、解決策がなくなってしまうからだ。この排出だけにとらわれると、解決を遠ざけてしまうように思うのだ。 温室効果の原因の割合 しかし二酸化炭素以外の温室効果ガスの割合はそれほど大きくない。二酸化炭素が温室効果の75%を占めているからだ。実に4分の3が二酸化炭素によるものだ。だから地球温暖化と二酸化炭素の排出との間には、間違いない因果関係がある。 企業の二酸化炭素排出イメージ しかもその排出の原因を突き詰めると、その排出源は既得権益に守られ、政治的にも大きな力を持つ大企業たちばかり。端的に言えば、「鉄鋼・セメント・電力」だ。それらは自らの利益を最大化させることを目的にした「企業」であり、彼らに改心してもらうよう頼むしかなくなってしまう。こうなると、利益獲得に狂信的な人々に改心させるような努力が必要になってしまう。  これでは被害を受ける人々が、加害者に「お願いをする」しかなくなってしまう。これではやる気は起こらない。頭を下げるべきなのは被害者ではないはずだ。
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家庭の部分だけなら、CO2削減も難しくはない
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