ホワイトハウスのタスクフォース採用の統計が導く、日本の「秋の波」予測

コロナ禍の日本

ABC / PIXTA(ピクスタ)

移動傾向の増加と「秋の波」

 前回、欧州の代表的な事例として仏(フランス)、英(英国)、西(スペイン)の三国について本邦と新規感染者と移動傾向(モビリティ)について比較しました。本邦では、パンデミック対策における大失政と無為無策から第二波パンデミックを起こしてしまいましたが、市民の自粛によって不完全ながら収束させたものの、9月に入りパンデミック第三波=「秋の波」が始まっている可能性を指摘しました。  特に本邦の9月以降の移動傾向の増加とシルバーウィークにおける移動傾向の激増が、10月第二週に秋の波として顕在化する可能性を指摘しました。これは同様に、バカンスによって「秋の波」につなげてしまった仏西は深刻な状況に陥っており、経済振興策の先走りやバカンスによってパンデミックを再発させた英国は、既に再度のロックダウンを視野に入れた大規模な介入を今後6ヶ月行うとジョンソン首相が表明している*例が六〜八週間先の将来を示す可能性があります。 〈*英首相、冬の新型ウイルス対策を発表 「自制心と決意」求める 2020/09/23 BBC英イングランド、飲食店の営業を夜10時に短縮へ 新型ウイルス再流行で 2020/09/22 BBC〉  本邦政府は、特に厚生労働省を代表に何もしたくない、何もしないという決意を強く持っており、パンデミックが本格化し大勢の市民が死ぬまで何もしないでしょう。これは今までの本邦政府の常套手段です。何かを始めるとすれば、霞ヶ関と永田町の人々に多くの死人が及んだときと筆者は予想しています。  今回は、欧州での成功国と大洋州に比較対象を広げて更に検討します。

欧州とベースライン(基準線)が同じになった本邦

 ここで欧州から伊、独、英、仏、西を取り出し、本邦と新規感染者数の推移を比較します。伊、独は、経済再開とバカンスによく耐え、第二波パンデミックを押さえ込んでいます。  ここで筆者が気がついた事は、本邦は第二波パンデミックを市民の自主的介入である程度収束させましたが、ベースライン(基準線)が高くなり、欧州諸国の6月時点でのベースラインと同水準になってしまったことです。本邦の5月から6月の日毎新規感染者数の推移を欧州諸国と一緒に見ると本邦はX軸(横軸)に張り付いてしまいベースラインがわかりません。6月まで欧州の尺度では本邦の推移はピーク以外が見えなくなっていたのですが、第二波パンデミックを終えた今、本邦は欧州6月と同水準のベースラインで「秋の波」を迎えることになります。これは非常に憂慮すべきことで、本邦ではもともと欧州諸国の典型事例に比して1/10未満(1/100程度から1/20程度)をベースラインとして感染者数の指数関数的増加が始まっていたのですが、今は、欧州の6月と同水準で指数関数的増加がが始まる事になります。  ドラえもんのバイバインを思い出せば良いのですが、10個の栗まんじゅうから倍々が始まるのと100個の栗まんじゅうから倍々が始まるのでは対応時間が全く異なります。  このベースラインの上昇は、今後の推移を予測する上で極めて重要と筆者は考えます。謎々効果によって本邦は守られているとはいえ、ベースラインが欧州の6月時点の値と同じ桁になってしまった以上、そこを起点に第二波パンデミックが始まった欧州の推移は重視すべきでしょう。欧州における第二波パンデミックの傾向は、制圧に成功している独伊は、それぞれ社会的行動制限ほか対策が手厚かったことと初動が迅速であった事、仏西英は、経済再開を優先したことと筆者は考えています。但し、市民の自粛のみに依存したノーガードかつ国策検査抑制主義の本邦とは欧州諸国は根本的に異なります。本邦は、謎々効果、高いマスク着用率、市民の自粛、学校閉鎖の寄与が大きく、現在では学校閉鎖はなくなっており、市民の自粛も弱まっています
英独仏伊西と日本における百万人あたり新規感染者数の推移(7日移動平均 線形ppm)

英独仏伊西と日本における百万人あたり新規感染者数の推移(7日移動平均 線形ppm)
本邦のベースラインは現時点で4ppm前後であり、これは欧州諸国の6月の値に相当する
Our World in DATAより

英独仏伊西と日本における第一波パンミックにおける百万人あたり新規感染者数の推移(7日移動平均 線形ppm)

英独仏伊西と日本における第一波パンミックにおける百万人あたり新規感染者数の推移(7日移動平均 線形ppm)
本邦のベースラインは5-6月時点で0.4ppm前後であった。
Our World in DATAより

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世界の「科学的予測」が導く、日本の「秋の波」
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