シルバーウィークで激増した日本の「移動傾向」。コロナ第3波「秋の波」への門が開く可能性も

雑踏イメージ

Ryuji / PIXTA(ピクスタ)

「秋の波の予兆」か? 本邦のパンデミック実態

 本邦は、パンデミック対策に失敗しており、一貫して感染率が上昇し、現在確定診断付き新規感染率4ppm程度*まで増加していますが、東部アジア・大洋州域外の諸外国に比べれば一桁少数で済んでいます。一方で、合衆国と同様にパンデミック対策における大失政から第一波パンデミックを折角収束に持ち込めた見込みであったにもかかわらず6月から第二波パンデミックを発生させてしまい、7月10日頃からの市民による自粛という自主的介入、その後の7月4連休の自粛という自主的介入によって漸く第二波パンデミックを収束に向かわせていました。しかし、GOTO政策、お盆明け効果、学校再開効果によって新規感染者数は下げ止まってしまい、8/31の週には明確に均衡状態になり、9月中旬以降には再上昇に転じています。但しこれが「秋の波」であると断定することはまだできませんが、スペイン、英仏と類似した傾向を一〜二月遅れで示しつつあります。但し、謎々効果によって規模は1/10程度となっています。 〈*ppm換算表 ナカライテスク

統計でみる本邦の第二波パンデミック

 ここでOur World in DATAから2020/09/22時点での本邦におけるCOVID-19確定診断付き新規感染者・死者の日毎の推移を示します。リンク先では最新情報が表示され、自身で操作もできます。
日本におけるCOVID-19による日毎死者数と日毎新規感染者数(片対数)

日本におけるCOVID-19による日毎死者数と日毎新規感染者数(片対数)
Our World in DATAより

 グラフから明らかなように、本邦は、フタコブラクダや二上山のような二ツ山を描いています。これは合衆国や本邦のようなコロナ失敗国に特徴的なもので、一部の例外を除き第一波パンデミックの制圧が不完全なまま、経済再開=社会的行動制限の緩和から撤廃をしたために第二波パンデミックを起こしています。  本邦は、世界で唯一と言ってよい国策によるPCR検査抑制国ですので、市中に紛れた感染者を探し出し、隔離、追跡するという当たり前のことをしませんから、社会的行動制限を緩和すれば直ちに感染は拡大し始めます。新規感染者として統計に表れるのは、感染日からだいた14日後ですので、本邦では5月連休が終わった5/11を起点とした5/25前後に感染再拡大が始まったものと考えられ。統計もそれを示しています。この頃には、非常事態宣言解除など、事実よりも政治の都合優先で公的介入緩和が実施されており、6月に入ると新規感染者数は、指数関数的増加を示しています。  7/10頃になると、市民による自主的介入が始まり、公園がガラッガラ、新幹線がガラッガラという発言がSNSでは相次ぎ、7/23-26の4連休では、G0TOは中止しないが外出は控えろという頭のおかしな政府方針がありましたが、移動傾向(モビリティ)はGOTO政策で観光客が押し寄せた沖縄などを除き目立って減少していました。  8/8-8/16のお盆休みでは、GOT0は推奨するが帰省はするなと言う再度頭のおかしな政府方針がありました。残念ながら明らかに移動傾向は増加していましたが、通勤、会社などで集団を形成しませんので感染拡大をある程度抑制していたものと考えられます。  この7/10頃からの自主的介入、7月4連休の効果はたいへんに大きなもので、7月下旬には新規感染者数の増加が鈍り、8月冒頭には新規感染者数が減少に転じています。繰り返しますが、統計に表れる新規感染は、実際の感染が生じた14日後が目安で、第二波パンデミックにおいても減少に転じた切掛けは7月4連休の自粛によるものと考えて良いです。  このまま社会的行動制限を私的介入、公的介入を行いながら継続すれば本邦においても10月初頭には5月の水準まで新規感染を減少させることができ、そこで大量検査と隔離を行うことで冬が本番になる12月という悪条件ですが、パンデミックの制圧をできた可能性があり、筆者はそのシナリオが最後のチャンス=逆転満塁サヨナラホームランであろうと考えていました。この場合、クリスマスから年末年始に頃には恋人同士がマスク着用の上で街に繰り出す程度は問題なくなっていると筆者は考えていました。  その為にもお盆休み明けから2週間経過後の8/31からと学校再開から2週間経過後の9/7からの週の新規感染者数の動向が極めて重要と考え、慎重に監視してきました。  グラフから自明ですが、極めて残念なことに、お盆効果による新規感染者数の抑制は期待した程ではなく、9月に入ると下げ止まってしまいました。下げ止まった水準は、日毎新規感染者数が100万人あたり4人(4ppm)であり、これは7/24の水準と同じかつ上昇基調であり今回は、今後減少する要素がありません。次回論じますが、この下げ止まった時点での感染率を筆者はベースライン(基準線)と考えており、重視しています。第二波パンデミックにより本邦は、ベースラインが0.3ppmから4ppmと約10倍増加しています。  これは極端な例えをすれば、5月の時点では1個のくりまんじゅうにバイバイン*をかけるのに対して、9月以降は10個のくりまんじゅうにバイバインをかけるようになったのと同じで、増加の立ち上がり時間が短くなります。 〈*ドラえもんのポケットの道具で、振りかけたものは5分で二倍に増えてゆく。のび太がバイバインをかけたくりまんじゅうを一個食べきれずに捨てたことから、指数関数的にくりまんじゅうが増加し、地球を破滅させる事が必至となり、宇宙へ捨てた。バイバインは、増倍時間5分、5分間再生産率R=2.0と非現実的だが、指数関数的増加の例題として筆者はよく用いている〉  筆者は、5月中旬には医師会検査が本格化していた事から数値のオーダー(桁)での比較は可能と考えています。現在のベースラインは、COVID-19制圧の入り口であったと言える5月中旬の水準の10倍です。本邦において9月の下げ止まった水準は、実績として合衆国や欧州の5月の状況と傾向が同じであり、介入=社会的行動制限の緩和を行えば第三波パンデミックを招きかねないものです。  今回は紙面の都合上詳しくは述べませんが、筆者が東京都の統計を見てきた限り、判明日での新規感染者数の下げ止まりは9/4-7、発症日での下げ止まりは8/31前後であり、その後は増加に転じています。但し、現時点では指数関数的増加には見えませんので増加を人為的に止めることは可能でしょう。  この新規感染者数の下げ止まりは、お盆休み明けによるものと考えられますが、その後の増加傾向には学校の繰り上げ始業の寄与があると考えられます。事実、9月に入り、小中高校でのクラスタ発生が多数報じられています*。これは9月より学校を再開している合衆国でも全く同じ事が発生しています**。 〈*神戸の小学校でクラスター発生 感染者27人に 2020/09/21 神戸新聞:これは一例であり、9/7以降、学校での感染拡大が全国的に急増していることが報道から分かる〉 〈**US coronavirus: More students go back to school as Covid-19 cases rise among children and at colleges 2020/09/08 CNNParents send student to school while knowingly infected with coronavirus, mayor says 2020/09/17 CNN
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