着衣のままのストリップ。従業員はバウンサー以外全員女性。キリスト教保守国家の「夜の店」に行ってみた
海外に比べて、女性の権利や公的保護などの観点から遅れをとっているとされている日本の性風俗産業。メディアではこういった問題が取り上げられることはまだまだ少なく、目にするのは週刊誌や専門誌、それも男性目線のものが多いのが実情だ。
そんな性風俗産業のなかでも、近年、ストリップクラブは外国人観光客や日本人の若い女性も鑑賞に訪れるようになるなど、ある種異質な存在として注目を集めている。
筆者も以前関東を中心に取材をしたことがあるが、各々の踊り子が生み出すオリジナリティに溢れたダンス、地方巡業までフォローする熱心なファンの存在、そしてどこか時が止まったようないまだに昭和・平成の空気を感じさせる会場の雰囲気は、たしかに他では見られないものだ。
では、欧州、特にキリスト教保守が根強いポーランドのストリップは日本といったい何が違うのか? そして、現場に立つ女性たちはどんな気持ちで働いているのだろうか?
友人たちと連れ立って週末の深夜3時過ぎに訪れたのは、某地方都市のストリップクラブ。ロケーションは外国人観光客も多く歩き回る目抜き通りの一等地だ。こういった立地も日本では想像しにくい。お店の前には男性の呼び込みが立っており、入場料などは一切かからなかった。
地下に降りると、広々としたラウンジが広がっており、壁沿いにはソファとテーブル、バーカウンターが並んでいる。踊り子たちは各席の前に備えつけられたポールで踊っているのだが、まず注目したいのは着衣であること。客以外は入り口に黒のレザージャケットを着た屈強なバウンサーがいる以外、全員女性である点だ。女性客は入場禁止なので、当然だが従業員は全員女性、客は全員男性。
筆者はハリウッド映画で見たようなステージがあり、日本と同じくそのステージ上を眺めるものだと思っていたのだが、踊り子が着衣であることも含め、雰囲気は日本で言うところのキャバクラに近い。
ソファに腰を下ろすと、すぐさまウェイトレスにあたるホステスと休憩中の踊り子が隣に座ってきた。ドリンク代は普通のバーの1・5から2倍ほどで、現地の値段からするとかなり割高である。
メニューを見ていると、同席していた友人が「ボトル入りのビール以外頼むなよ」と囁いてきた。店によっては客から多くのカネを引き出すため、飲み物にデートレイプドラッグを混ぜてくるところもあるのだという。後日、現地在住の邦人に話を聞くと、ポーランドのストリップクラブには日本でいう「ぼったくりバー」のような店が少なくないそうだ。
「調子に乗って酒を頼みすぎたり、プライベートルームに行って、一晩でひと月分の給料を溶かしてしまうような人もいます。こちらはカード社会なので、飲んでいる最中に不審に思った銀行から止められてことなきを得た……なんて知り合いもいますよ。地方出張のサラリーマンや観光客以外、地元の人や日本のような『ファン』がいるようなことはまずありません」
独特の文化を形成している日本のストリップ
踊り子さんも着衣。従業員はバウンサー以外全員女性!
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