着衣のままのストリップ。従業員はバウンサー以外全員女性。キリスト教保守国家の「夜の店」に行ってみた

踊り子が語るストリップ事情

 さて、「主役」である踊り子は、年齢は概ね20代前半(踊り子談)だが身長や体重は千差万別。ヒールを含めても、170cm中盤の筆者より優に10cmは身長の高いモデル体型の女性から、より低身長でいわゆる「ポッチャリ系」と呼ばれる女性まで、さまざまだ。  隣に座ったエリザベス・デビッキ(ちなみに彼女はポーランド系だ)似の踊り子に話を聞くと、彼女たちが報酬を得る手段は客が注文したドリンク、そして「プライベートルーム」と呼ばれる個室によるという。 「踊り子もホステスも別な都市から勉強しに来ている学生が主です。ダンスが好きでやっているコもいるけど、私も含めてほとんどお金のために割り切ってやっています。無理に働かされたり、危険を感じるようなことはありませんね。夏休みや冬休みの間だけ小遣い稼ぎにやって、新学期が始まると辞めるコも多いです。脱ぐのが嫌なコはこうやって話をしてドリンク代で稼ぎますし、もっとお金を稼ぎたいコはプライベートルームにお客さんを連れていったり、『体を張って』ますよ」  客層は40代のビジネスマンや、ドイツイギリスといったより経済規模の大きい欧州の観光客米軍基地の兵士などが多いという。一等地にありながら、お店の存在自体は「グレー」とのことで、店外での接触や電話番号の交換は一切NGだが、プライベートルームでは交渉次第で本番行為もできるのだとか。

女性だけでも身の危険を感じたことはない

 以前、こうしたストリップクラブで働いていた元マネージャーの女性Mさんは、女性だらけの職場環境、そしてポーランドのストリップ事情についてこう語る。 「女性のみ、かつ完全に歩合なので競争は激しいですが、みんな楽しんで働いていますよ。私もそうですが、地方から出てきたコにとっては、まず想像できないような金額が楽に稼げますからね。  客とのトラブルもほとんどありませんし、あってもすぐにバウンサーが叩きだすので、身の危険を感じることはありません。一度、政治家が全裸のままプライベートルームから、『本番をさせてくれない!』と飛び出してきたことがありましたが、それも通報すると脅したらすぐに収まりましたし。強いていうなら、お互いビジネスだと割り切っているので人間関係が冷え込んでしまう、人がお金にしか見えなくなるのがツラいですね」  日本のように固定のファンがついて、公演のたびに駆けつける……。という文化は一切ないそうで、客層も他都市からの人が中心なため、キャバクラのように好みの女性にのめり込んでしまうような人もいないのだという。 「私が働いていた店は男性がオーナーでしたが、数年働いて直接会ったのは一度か二度だけ。グレーな仕事なのでお店に顔を出したくなかったのかもしれませんが、バウンサー以外の男性従業員と会うことはほとんどありませんでした。その日の精算やレジ閉め作業も女性だけでやっていましたし、踊り子たちの売り上げの管理も私がやっていましたね」
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アルコールや薬物の誘惑に関しては「自己責任」
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