韓国の統一教会系国際会議で小野寺元防衛相が教祖夫妻を賛美? 教団系機関紙が誤情報掲載

翻訳の間違いか

 11日、再度FPU兵庫に問い合わせた。事務局長からは「小野寺さんが参加していないことだけは間違いない」「多分、名前の間違い」と、どうやら韓国語から日本語に翻訳する際に間違えたのではないかとの説明があった。 「韓国語で書いてあると発音が難しいし、ちゃんと書いてないところがある」「情報源は韓国」「日本ではありえないが、Google翻訳を使うため日本の政治や日本語に疎い会長がやっているので、変換がそうなってしまった」  事務局としては日本語がおかしくないかというチェックはしていたものの、人物名の正確さまでは手が回ってなかったという。  誤って「小野寺氏の発言」が掲載された132号はFPU兵庫HPから一旦削除されている。「最後のページにも韓国語の翻訳がおかしいところがあるので修正するため」だという。  この機関誌はほとんど配布されておらず、必要な人は適宜各自FPU兵庫のサイトからプリントアウトしているとのことだ。

政界引退後、教団の御用達になった「大野元防衛庁長官」の間違いか

 では、FPU兵庫会長は誰と小野寺氏を間違えたのか。日本の防衛を管轄する省庁の元トップで、名前が小野寺氏に似ており統一教会関連イベントへ頻繁に参加している人物として思い当たるのは大野功統元防衛庁長官だ。  大野元長官は2月5日午前の鮮鶴平和賞受賞式に出席した他、翌6日に行われた教団イベント『天地人真の父母御聖誕100周年および天一国基元節7周年記念式』に参加しており、5日午後の世界平和国会議員連合の総会にも出席していた可能性が高い。
教団イベントに参列する大野功統元防衛庁長官(矢印)

韓鶴子総裁を始めとする教団幹部と教団イベントに参列する大野功統元防衛庁長官(矢印)(peaceTVより)
〈参照:|PeaceTV 天地人真の父母御聖誕100周年および天一国基元節7周年記念式 〉

 大野功統元防衛庁長官のように政界引退後に教団御用達の元政治家として晩節を穢している元閣僚もいる。小野寺氏には、その轍を踏まないようにしてもらいたいものだ。  これまで統一教会と国会議員との関係を追及してきたが、元閣僚が”無実”の罪を着せられたケースは初だ。 <取材・文/鈴木エイト(ジャーナリスト)>
すずきえいと●やや日刊カルト新聞主筆・Twitter ID:@cult_and_fraud。滋賀県生まれ。日本大学卒業 2009年創刊のニュースサイト「やや日刊カルト新聞」で副代表~主筆を歴任。2011年よりジャーナリスト活動を始め「週刊朝日」「AERA」「東洋経済」「ダイヤモンド」に寄稿。宗教カルトと政治というテーマのほかにカルトの2世問題や反ワクチン問題を取材しイベントの主催も行う。共著に『徹底検証 日本の右傾化』(筑摩選書)、『日本を壊した安倍政権』(扶桑社)
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