小野寺元防衛相の発言とされるものが掲載された統一教会関連組織機関紙の当該箇所(下線部は筆者によるもの)
菅義偉新総裁体制における自民党役員人事で
党組織運動本部長に就任した
小野寺五典元防衛相に、とんだ災難が降りかかっていた。今年2月に韓国で統一教会(天の父母様聖会/世界平和統一家庭連合)系の組織が開いたワールドサミットの模様を報じた教団フロント団体の機関誌に、
小野寺氏が同サミット分科会へ出席し教祖夫妻を賛美したかのようなレポートが掲載されたのだ。しかし、この
教団系サミットに小野寺氏が出席した事実はなかった。
2020年2月3日から5日にかけて韓国最大のコンベンションセンターKINTEXで統一教会(世界平和統一家庭連合/天の父母様聖会家庭連合)系団体・
天宙平和連合(UPF)が「ワールドサミット2020(World Summit 2020)」を開催した。
〈参照:|
統一教会大規模イベントへトランプ・金正恩・文在寅が祝賀メッセージ。韓鶴子訪朝団に日本の元首相と安倍側近が参加の噂も!?<政界宗教汚染〜安倍政権と問題教団の歪な共存関係・第27回>〉
4日午後に開かれたサミット分科会・世界平和国会議員連合(IAPP)の総会の内容をレポートした国内の教団フロント組織の機関紙『平和統一NEWS』に、あたかも小野寺氏がこの総会に出席したばかりか教祖夫妻を賛美したかのような発言内容が掲載された。
FPU兵庫の機関紙『平和統一NEWS』第132号
機関誌を発行したのは2004年に統一教会の文鮮明教祖(2012年死去)が創設した
FPU(平和統一總合/Federation for Peace and Unification)の兵庫支部。執筆者はFPU兵庫の文聖純会長だ。
〈参照:|FPU兵庫 機関紙 平和統一NEWS〉
全16ページ中3~6ページがワールドサミットの記事を占めるFPU兵庫機関紙第132号
問題の記述はこうだ。
『
小野寺前日本防衛相は「国防力や外交力よりも重要なのが人間関係」と「平和をなす方法として、人間関係、すなわち、人間による平和の力が重要である。 それを私達がより強調しなければならない」と主張した。また「文.韓総裁は家庭生活の重要性を着実に強調した」とし「天宙平和連合(UPF)活動を通じて愛と平和を図る必要がある」と 明らかにした』
FPU兵庫の機関紙6ページに記載された小野寺氏の発言とされる箇所
しかしこの日、日本では衆院予算委員会が開かれており、小野寺議員も予算委理事として出席していたことが衆議院のサイトに記載されている。小野寺氏が韓国の“サミット”に出席することは不可能だ。
〈参照:|
衆議院HP 第201回国会 予算委員会 第6号(令和2年2月4日(火曜日))〉
衆議院HPに残された小野寺氏のアリバイ(衆議院HPより)
では、もし仮に『平和統一NEWS』に掲載された内容が事実だとすると、サミット会場では小野寺議員からのビデオメッセージ等が紹介されたということなのか。韓国への対応について「丁寧な無視」をするべきと主張するなど強気な発言で知られる小野寺氏が、その裏で統一教会と関係を持っていたとしたら、小野寺氏が防衛相時代の副大臣で自民党国防部会長などを歴任した山本朋前広前防衛副大臣と同様ではないか。
〈参照:|
韓国の新興宗教に忠誠を誓う自民党・国防部会長<政界宗教汚染〜安倍政権と問題教団の歪な共存関係・第7回>〉