8月だけで20件もの被害が。ソロキャンプブームに陰を落とすクマ襲撃増加。肉食化の可能性も

 8月に長野県のキャンプ場でクマがテントを強襲し女性がケガをする事件が起きた。クマが人に襲いかかる獣害事件はたびたび報じられてきたが、「ソロキャンプ」がブームになるなか、その危険性について専門家に話を聞いた。
ソロキャンプブームに陰を落とす最凶クマが大量出没中!

木に登ってクリを食べるクマ。米田氏撮影。クマは木登りも上手なので、木に登って逃げようとしても無駄。木は登らず、陰に隠れる

キャンプ場でテントごと引きずられる事件が発生

 8月9日の深夜、長野県松本市の上高地にあるキャンプ場でクマが出没し、テント4張りを襲った。このうち、ソロキャンプをしていた50代の女性がテントごとトイレの奥まで引きずられ、足に10針を縫う大ケガをしたという。  近年、クマによる人身被害は増加傾向にある。今年に入ってからも、8月だけで下のように20件近くの獣害事件が発生している。キャンプ場などレジャー施設に乱入したケースもあった。 【8月に起きた主なクマの人身被害】 ▼8月1日 福島市飯坂町の竹林で「クマに襲われた」と70代男性が警察に通報 ▼8月2日 三重県大台町の河原でバーベキューをしていた男女2人が襲われて負傷 ▼8月3日 岩手県久慈市の山林でキノコ狩りをしていた70代男性が襲われてケガ ▼8月5日 岩手県野田村の山林でキノコ狩りをしていた男性が襲われてケガ ▼8月8日 長野県長野市で犬の散歩中に2頭のクマと遭遇した女性が襲われて顔にケガ ▼8月9日 長野県上高地のキャンプ場でテント4張りが襲われ、女性1人がケガ ▼8月10日 長野県大町市のキャンプ場近くで散歩中の女性が頭を噛まれて軽傷 ▼8月10日 福井県小浜市の旧国道を歩いていた59歳男性が襲われてケガ ▼8月14日 岩手県二戸市の60代男性が農作業中に襲われて顔などに計7針縫うケガ ▼8月17日 三重県大台町の登山道で下山中の30代女性2人が襲われて軽傷 ▼8月19日 岩手県北上市の80代女性が畑で野菜を採っていたところを襲われてケガ ▼8月19日 岩手県久慈市の宇部町内に住む80代女性が畑で作業中に襲われてケガ ▼8月20日 岩手県北上市の80代男性が自宅近くの畑で作業中に襲われてケガ ▼8月20日 福島県南会津町で畑作業をしていた78歳の女性が襲われて軽傷 ▼8月22日 広島県庄原市でイノシシの罠にかかっていたクマに襲われた男性がケガ ▼8月23日 群馬県みなかみ町月夜野の町道で散歩していた米国人が襲われて重傷 ▼8月24日 北海道士別市の山林に銃を持って入った猟友会の会員が襲われて大ケガ ▼8月29日 秋田県鹿角市の市道で自転車に乗っていた男子高校生が襲われてケガ

人間のエゴが招いた「人災」

ソロキャンプブームに陰を落とす最凶クマが大量出没中!

米田氏撮影のツキノワグマ。もともとはサケも食べていたがダムなどができて遡上できなくなり、ドングリ中心の食性になったという

 なぜ山奥に住むクマが人里まで下りてくるのか。ツキノワグマの生態を研究している東京農工大学大学院准教授の小池伸介氏が話す。 「今年は梅雨が長かったことで植物の生育が遅れて、本来なら食べていた木の実が採れなかった可能性はあるかもしれません。それとは別に、キャンプ場へ行けば食べものがあるというのを学んでいたクマもいたのでしょう。最初は人間が怖かったけど、勇気を出して行ったら簡単に食べものにありつけたといった成功体験の積み重ねがクマを大胆にさせている。すなわち食べものや生ゴミを放置した人間がクマを呼んだことになります。これは人災でもあるのです」  自然環境を乱す人間のエゴが、獣害事件が多発する温床になっているということだ。
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重大な人身被害は10月がピーク
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