BLMを支持するBTSのファン。Kポップファンと「デモクラシー」の親和性

BTS

時事通信フォト

 米国ミネソタ州でジョージ・フロイド氏が白人の警官に首を圧迫され、殺害されたことで世界に広がった「ブラック・ライブズ・マター(BLM)」。  この運動は2012年2月、フロリダ州で発生した白人の自警団員による黒人の射殺事件に端を発しているが、コロナ禍というのっぴきならない状況でありつつも、世界のアーティストや俳優らの多くが支持や連帯を表明している。この中でK-POPのアーティストたちとそのファンたちの動きを追ってみたい。

「ARMY」と呼ばれるファンがBLMを支援

 K-POPアーティストの中でも、特に「BLACKPINK」や「防弾少年団(BTS)」の動きは重要である。6月4日、BTSはツイッターでハッシュタグ「#BlackLivesMatter」をつけ、BLM運動への支持を表明。7日には100万米ドル(1億円超)を寄付している。  BTSに限らず、非白人の若年層が多いK-POPファンがBLMに親和的なのは当然といえば当然だ。5月31日にはテキサス州ダラス警察がアプリ「iWatch Dallas」にデモでの違法行為を報告するよう求めると、ファンたちは好きなK-POPアーティストの動画などを送りつけアプリのサーバーをダウンさせるなどしている。  ドナルド・トランプ米大統領がオクラホマ州で開催した選挙集会を、6月20日にはフェイクの予約により会場をガラガラにさせたことも記憶に新しい。  BTSの寄付についても、「ARMY」と呼ばれるファンダムがこれに強く呼応し、BLMに対する寄付として「#MatchAMillion」というキャンペーンを展開。24時間で100万ドル以上を集めた。

BLMが歴史認識にも波及

 BLMのうねりは、欧米による植民地支配の歴史など、歴史をめぐる問題にまで波及している。レイシスト的、植民地主義的な人物の銅像を引き倒す、撤去する、落書きするなどはその表れだろう。  米国ではジョージ・ワシントン初代大統領らの像、英国ブリストルで17世紀の奴隷商人エドワード・コルストンの像が海に投げ込まれたのは記憶に新しい。  オックスフォード大学は19世紀に南アフリカの前身、ケープ植民地の首相となった白人至上主義者セシル・ローズの銅像を撤去した。ウィンストン・チャーチル像もまた、人種差別主義者として落書きの対象となった。是非はともあれ、このような形で過去のレイシズム、植民地主義に対する批判と怒りが渦巻いていることは確かだろう。  ついでながら、事件の発生したミネアポリスなどでの警察の「廃絶」についても述べておこう。この「廃絶」、英語では「abolition(アボリション)」なのだが、かつての奴隷制廃止運動が「Abolitionism(アボリショニズム)」と呼ばれていたことと関連がある。警察の暴力と奴隷制を連なるものとして捉える視点があるというわけだ。
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カルトの指導者の演説をサンプリングし問題に
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