オンライン旅行の世界に没入できるコンテンツとして期待していた街歩きだが、ライブ配信ではなくガイドが事前に撮った動画だったため、若干出鼻をくじかれた形となった。
それでも、パロス島の中心部である港街パリキアの雰囲気は十分伝わってきた。伝統的なキクラデス様式の白い壁に青い扉の建物が点在し、とても綺麗な街並みが広がっている。
動画で街中を紹介した後には、現在チエチエさんが住んでいる自宅周辺をライブ配信で案内してくれた。
「街の中心部から少し離れていて、小高い山の上にある家に住んでいます。家賃は1DKの広さで月2万5千円ほどなので、とてもリーズナブルですよ」
チエチエさんの自宅は、築300年の典型的なキクラデス様式の造りとなっている。文化遺産のような住宅に月2万5千円で住めるなんて羨ましい限りだ。
家の敷地も広々としており、小高い山の上にあるためか、さながら「ポツンと一軒家」を彷彿とさせる。「庭ではイチジクやアーモンドがとれるので、よく食べていますね。自然豊かでのどかな雰囲気はとても落ち着きます」
建物のほとんどが白い壁に青い扉という作りになっている。数百年前に大流行したコレラや結核の対策として、抗菌作用のある石灰を用いた名残が今も残っているのだという。
最後に、事前に用意してある動画で自宅の中を案内してくれ、今回のオンライン旅行は終了。従来のような観光ガイドではなく、オンライン旅行のロコ(海外在住日本人ガイド)をやる魅力についてチエチエさんに尋ねてみた。
「ロコタビに登録して1、2年経ちますが、これまでやってきた現地でお会いする形のガイドができないのは残念に思ってます。でも、オンラインに切り替わったことで、より気軽にパロス島に魅力を知ってもらえるようになりましたね。以前よりもお客様の依頼が増えています。海外在住の日本人とオンライン上でざっくばらんに旅行話や雑談ができることから、予約が増えているのではと感じます」
チエチエさんが開催するオンライン旅行は、これまで100回ほど実施されているという。ステイホームで自宅にいる時間が長くなったことから、空いた時間を有効活用し、気になる海外の国をオンラインで巡ってみるのもいいかもしれない。