2012年12月に第2次政権を発足させて総理大臣の座に返り咲き、その後は実に8年近くの長期政権を築いた安倍晋三総理大臣。
その間に総理大臣の連続在任期間、通算在任期間ともに歴代最長記録を更新し、日本の政治史に大きな足跡を残した。アベノミクスにより日本経済を復活させ、「外交の安倍」と持ち上げられるほどに世界でも存在感を発揮。総理在任中の国政選挙では毎回勝利を重ねるほどに国民からの信頼も厚いリーダー。現在は健康問題で退陣が噂されているが、いまだに「安倍総理の後継がいない」と言われるほどの実力者…………。
表向きは、そういうことになっている。
だが、あなたは安倍総理の国会答弁を聞いたことがあるだろうか?
テレビに流れている編集済みの映像ではなく、ノーカットの映像で確認したことがあるだろうか?
私は2年前、ふとしたきっかけで政治に興味を持ち、国会中継をノーカットで確認した。
そして、・・・・・・・・ぶったまげた。
安倍総理の振る舞いが、
テレビのニュースに映っている国会での姿とあまりに違ったからだ。その国会質疑は2018年5月30日に行われた党首討論。森友・加計学園問題について立憲民主党・枝野幸男代表が約19分間で3問にわたって追及したものだった。
質問と全く関係ない内容をダラダラと喋り続ける
自己中心的な振る舞い。
自らの非を堂々と周りに責任転嫁する
厚顔無恥さ。
日本語能力の根本的な欠如。
そこにいたのは、「頼れる日本のリーダー」という表向きのイメージとは程遠く、ただただ
幼稚で頭の悪い男だった。私はこの出来事に衝撃を受けて、不誠実答弁を「
信号無視話法」と命名して視覚化する取り組みを始めることになる。
最初のきっかけとなった党首討論の3問は、字幕と信号機による視覚化付きで筆者のYoutubeチャンネル「赤黄青で国会ウォッチ」で
公開している。もし、安倍総理の国会答弁をノーカットで観たことが無い方がいたら、ぜひこの機会にどれか1つだけでも視聴して頂きたい。
約束する。・・・・・・・・あなたも必ずぶったまげることを。
体調不良が噂され、本稿執筆&公開時点(2020年8月28日朝配信予定)では「辞任」の噂も囁かれる安倍首相。今一度、筆者が衝撃を受け、国会の不誠実答弁を文字起こしし、「信号無視話法分析」という不誠実答弁の視覚化という活動を始めるに至った彼の答弁を振り返ってみたい。
以下、全3問の質疑の概要を簡単に紹介する。
「枝野幸男代表vs安倍晋三総理 2018年5月30日党首討論1問目」
枝野代表の質問内容:「私や妻が関係していたら総理大臣も国会議員も辞める」と明言したのに昭恵夫人の関係を匂わせる証拠が出てきたら、急に「贈収賄に当たらないから問題がない」という限定を付け加えるのは、一国のリーダーとして卑怯ではないか?
安倍総理の答弁内容の概要:質問と全く関係ない話(=
枝野代表と当選同期であるという思い出話)から始まり、周知の事実である経緯(=この問題に関する国会での質疑の経過)を延々と説明し続ける。