枝野代表の質問内容：森友問題で「金品の授受がなければ問題ない」という趣旨の発言をされているが、金品の流れはこの問題の本質なのか？また、「私人」の昭恵夫人が「公務員」である谷査恵子氏を使って、財務省に優遇を働きかけることはいいことだと思っているのか？ 安倍総理の答弁内容の概要：周知の事実（＝この問題に関する国会での質疑の経過）の説明で時間稼ぎをし、それに対して野党の辻元清美議員から抗議の声が挙がったタイミングで野次を非難する言動を繰り返して責任転嫁し、最後に「事務所に回して頂ければ答えた」という衝撃のゼロ回答。 枝野代表の質問内容：加計学園の「総理との面談は虚偽であった」というFAXが本当であれば、勝手に名前を使われた総理は加計学園にしっかり説明するよう求めるべきでは？ 安倍総理の答弁内容の概要：質問と無関係な話（＝話題は加計に移ったのに森友の話を続ける）の後、論点すり替え（なぜ加計に説明を求めないのか→なぜ加計を訴えないのか）を織り交ぜ、「コメントする立場にない」とゼロ回答。 　なお、全3問の文字起こしに関しては本サイトの過去記事、さらに文字起こしと信号無視話法の視覚化は筆者のnote「【信号無視話法】2018年5月30日 党首討論 VS枝野代表」で公開しているので、ぜひそちらも併せて確認してもらいたい。 　それから約2年。私は国会答弁を中心に不誠実答弁の視覚化を続け、その数は約60件*にのぼる。実にその半分を安倍総理の答弁が占める。 〈*全60件は筆者のnoteマガジン「答弁視覚化」で公開中〉 　総理答弁の大きな特徴は、どんな質問内容であってもひたすら原稿用紙に書かれている内容を壊れたテープレコーダーのように繰り返すこと。質問者が質問の角度を変えて、答弁内容が的外れになったとしても、おかまいなしに原稿に書かれた文字を朗読し続ける。また、誰もが知っている周知の事実（＝信号無視話法における黄信号）を延々と説明して時間稼ぎする*のも特徴の一つだ。 〈*この黄信号が多いという特徴の具体例は筆者の過去記事「視覚化で「空っぽ」ぶりがよくわかる安倍総理答弁の異常さ」を参照 　こうした総理答弁を聞き続ける中で、私はある違和感を持った。 　それは、総理本人の意思が全く感じ取れないこと。 　言い換えると、政治家であれば当然持っているはずの「自分はこういう政策を進めたい」という意思が皆無であるように見えるのだ。