拡大する米国のBLM運動。IT業界への知られざる影響とは?
IT用語がBLM運動の影響により置き換えに
GitHubの動き
ちなみに、マスターという言葉はIT業界では、コピーを作る前のオリジナルのものを指す意味として、よく用いられている。現実の世界では「マスターキー」の「マスター」が分かりやすいと思う。また、「マスター音源」として使われる「マスター」も同じ意味だ。 では、GitHub (Gitというツールを利用して、バージョン管理をおこなう)の「マスター」は、「主人と奴隷」という意味の「master / slave」と関係ないかと言うと、実は関係があるという話がある(参照:Latest topics > outsider reflex)。 Git というツールは、BitKeeper というバージョン管理システムの代替として開発された(参照:Hacker News)。その BitKeeper で、「master / slave」という用語が使用されており、それがそのまま流用されたのではないかという話がある(参照:bitkeeper)。 Git の開発に参加した Petr Baudis は、マスター録音のマスターの意味で、master を使ったが、その後何度も別の名前にした方がよいと思ったとツイートしている。その発言に対して、他の開発者が、命名は難しいので自分を責めないでください、変更は必要でしょうがと返信している。It's a great idea and we are already working on this! cc @billygriffin22
— Nat Friedman (@natfriedman) June 12, 2020
こうした流れがあるために、GitHub で「マスター」という言葉が変更対象になるのは、ある意味、いつかは通らないといけない道だったとも言える。ちなみに、Git では、コピー前のプログラムを「マスター」、コピー後のプログラムを「ブランチ(枝)」と呼ぶ。とすれば、素直に考えれば、コピー前のプログラムは「トランク(幹)」でないとおかしい。そうした言葉のねじれは発生していたわけだ。I picked the names "master" (and "origin") in the early Git tooling back in 2005.
— Petr Baudis (@xpasky) June 12, 2020
(this probably means you shouldn't give much weight to my name preferences 🙂 )
I have wished many times I would have named them "main" (and "upstream") instead.
Glad it's happenning @natfriedman
この連載の前回記事
2020.06.17
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