リモート会議や研修をダメにする無意味な「掟」
あえて寝た子を起こして合意を形成
そもそも「寝た子を起こすことになるので、ビデオやマイクをオンにしたくない」という本音に接したこともある。これはリモートの会議でも、対面の会議でも言えることだが、本連載でも紹介している、4つの質問による合意形成手法を、進行役が繰り出すことで解決できる。
寝た子を起こして、異論や懸念を解消して、合意形成する方法だ。そのためにも、リモートではビデオとマイクを常時オンにすることが不可欠なのだ。
応酬なき異論は建設的
回答:応酬しないので紛糾しない
寝た子を起こすことになります。むしろ、あえて寝た子を起こすのです。しかし、心配は無用です。寝た子を起こしても紛糾しないのです。紛糾するのは、応酬するからです。洗い上げ質問では決して応酬しないので、紛糾のしようがないのです。
洗い上げ質問のとても大事なポイントは、異論や懸念が出されたら、どのような意見であろうとも、方針説明する人や進行役の人は、その意見に対して反論しないで、意見が出されることに対して歓迎の意思表示をすることです。「なるほど、そういう意見もありますね。他にも異論や懸念がありますか?」「よいご意見ですね。さらに出していただけますか?」「これまで気づきませんでした。もっとありますか?」というように、歓迎の意思表示をしてさらに洗い上げます。
方針説明者も進行役も、出された異論や懸念に対して、「その意見は違います。先ほど説明したでしょう」「それは、こういうことなのです」などと、決して反論しないことがポイントです。決して応酬しないので、決して紛糾しないのです。
【山口博[連載コラム・分解スキル・反復演習が人生を変える]第192回】
<取材・文/山口博> (やまぐち・ひろし)
モチベーションファクター株式会社代表取締役。国内外企業の人材開発・人事部長歴任後、PwC/KPMGコンサルティング各ディレクターを経て、現職。近著に『チームを動かすファシリテーションのドリル』(扶桑社新書)、『クライアントを惹き付けるモチベーションファクター・トレーニング』(きんざい)、『99%の人が気づいていないビジネス力アップの基本100』(講談社+α新書)、『ビジネススキル急上昇日めくりドリル』(扶桑社)がある
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この連載の前回記事
2020.06.01
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