[2020年最新版]ループもの映画ベスト10。同じ時間を繰り返すからこそ学べることとは?

7位 『トライアングル』(2009)

トライアングル ヨットセーリング中に嵐に襲われた男女が、大型客船に命からがら乗り込むことから始まるシチュエーションスリラーだ。本作は、それ以上の予備知識なく観たほうがいいだろう。不可解な事態に「何が起こってるんだ?」「どういうことなんだ?」と“翻弄される”ことに面白さがあるのだから。  オープニングからある“謎”があり、最後までのその謎の明確な答えを出さないため、観る人によって解釈が異なるという奥深さも備えている。観終わった後に、ネットで考察や解説の記事を読むとさらに楽しめるだろう。1つだけその謎のヒントを挙げるのであれば、主人公が自閉症の息子を育てているシングルマザーであり、精神的に追い詰められていたということだ。その事実から、彼女に何が起こったのか、じっくりと考えてみてほしい。U-NEXTで5月31日まで鑑賞できる。

6位 『オール・ユー・ニード・イズ・キル』(2014)

オール・ユー・ニード・イズ・キル 広報担当だったはずなのに戦場に送られるハメになってしまった男が、殺されるたびに同じ1日を繰り返す様を描くアクション大作だ。最大の特徴は「死ぬたびに生き残るための方法を学んで強くなる」という、まるでテレビゲームのような面白さがあること。男の子ゴコロをくすぐるカッコいいガジェットや、大胆なカメラワークによる戦場アクションも見応え存分だ。  原作は日本のライトノベルで、そちらでは若者の暗い青春を描くダウナーな側面が強かった。しかし、この映画ではトム・クルーズが良い感じにヘタレ気味で軽薄そうな主人公に扮していて、中盤まではほぼほぼブラックコメディな悪意のあるギャグも全開だったりと、かなり作品のトーンが変わっていたりもする。『デスノート』などで知られるマンガ家の小畑健がハイクオリティのコミカライズ版も手がけているので、合わせて読んでみるのも楽しいだろう。現在はNetflixやU-NEXTで鑑賞できる。

5位 『NAKID ネイキッド』(2017)

ネイキッド

Netflix公式サイトより

 こちらはNetflixでのみ配信されているオリジナル映画である。本作のシチュエーションは数あるループものの中でも飛び抜けて変わっている。何しろ、「気がついたらエレベーターの中で全裸だった」なのだから。そのままでは警察に逮捕されかねないうえに、数時間後には自身の結婚式が行われてしまう。ループを繰り返しつつ、「絶対に幸せな結婚式を挙げてやる!」という明確な目標に向けて(全裸で)奔走する主人公の姿に、笑いながらも心から応援できる設定になっているのだ。  主人公の性格が「気さくで親しみやすいけど計画性はなくていい加減」ということも重要だったりする。当たり前のことだが、結婚とは最愛の人との将来を誓いあう、計画性が必要なイベントだ。いい加減な性格の男が「何度でもやり直せてしまう」同じ時間に閉じ込められたことで、逆に「やり直せない結婚には計画性が必要である」ということを知っていく……という過程には、これから結婚を考えている方こそ身につまされるだろう。

4位 『ミッション:8ミニッツ』(2011)

ミッション:8ミニッツ 目を覚ますとそこは見知らぬ通勤列車、周りの光景も話しかけてくる人にも全く見覚えがない。そして、8分後に列車が大爆発を起こして乗客が全員死亡してしまう……!ということから始まるSF作品だ。爆弾および犯人を見つけ出すミステリー要素がグイグイと興味を引き、さりげない伏線も張り巡らされ、そして圧巻のクライマックスに感動できるという、エンターテインメントとして全方位的に優れた内容となっている。  それでいて、「限りある時間の中で何を大切にして生きるか」という、普遍的なメッセージ性も備えているのも素晴らしい。主人公は絶望的な状況に追い込まれても、出そうとあの手この手を尽くして、やがて希望を見つけ出そうとする。その姿から、勇気をもらえる方はきっと多いはずだ。現在はU-NEXTで鑑賞できる。
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3位 『ハッピー・デス・デイ』(2017)&『ハッピー・デス・デイ 2U』(2019)
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