日本で育ったのに、大人になると突然理由なき「収容」。「人間扱いして」と訴えるクルド人女性

6歳から日本の学校に通ってきた少女が、大人になったとたんに収容される

現在のメルバンさん

現在のメルバンさん。写真は本人提供

 最近は入管関連のニュースが日々、取り上げられるようになってきた。収容施設での外国人に対する非人道的な扱いも表に出るようになり、人々の注目を集めるようになった。しかしほんの2年前までは、日本でこの問題を知る人はほとんどいなかったと言える。この状況を大きく変えたのが、トルコから来たクルド人女性のメルバンさんである。  難民として日本へ逃れてきた父親のもとへ、6歳の時にやってきたメルバンさん。彼女もビザがないままの「仮放免」という、住民票も保険証もない不自由な状態だったが、義務教育はすべて日本で終えた。  しかし2017年11月、22歳になったメルバンさんは理由も告げられず強制収容された。パニック障害を患っていたが、収容施設内では自分で服用していた薬も使わせてはもらえなかった。  彼女は施設内でたびたびパニックを起こしては苦しみ、血を吐き、泣き叫び続けた。精神状態はギリギリの状態だったが、それでも持ち前の気の強さで職員たちに抵抗していった。

入管の非道を訴えた、メルバンさんを救出するムーブメントが起きる

 メルバンさんはメディアに名前や顔を出すことを決心し、入管内部の非道を訴えていった。たいていの被収容者は名前や顔を出すことを恐れる。入管からの報復が怖いし、難民の場合は母国に居場所がバレれば困る人も少なくない。  しかしメルバンさんは躊躇することなく、薬が飲めないこと、職員に虐められること、劣悪な環境などについて訴え続けた。この訴えは功を奏し、さまざまなメディアに取り上げられるようになっていった。 「6歳から日本で育ってきた女の子が、大人になったら収容される」。この日本で起きている現実に衝撃を受けた人々は次々と行動を起こすようになり、メルバンさん救出のためにネット署名や解放をアピールするスタンディングが行われるなど、一つのムーブメントが起きた。そしてついに、2018年4月に彼女は解放されることとなった。  今まで日本社会の裏に隠されていた外国人への人権侵害にやっと人々が気づき、目を向けられるようになったのだ。  あれから2年後、現在のメルバンさんはどうしているのか。インタビューを行った。
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収容の辛い体験によって、持病のパニック障害が悪化
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