「リニア工事で大井川の水量が毎秒2トン減!?」をめぐり国交省vs.静岡県のバトル勃発
トンネル工事の影響で、大井川の水量が毎秒2トン減る!?
JR東海が建設するリニア中央新幹線(以下、リニア)は、時速500Kmの走行を可能とし、2027年には東京(品川駅)・名古屋駅を40分で結ぶ予定だ。総工費5兆5000億円の超巨大事業である。
だが、そのトンネル工事に伴い、静岡県では県民の水源である大井川が1秒間に2トン(中下流域の8市2町62万人分の水利権量に匹敵)も減流すると予測されている。
静岡県とすれば、すんなりと工事を認めるわけにはいかない。実際、リニアが通過する1都6県(東京、神奈川、山梨、静岡、長野、岐阜、愛知)のなかで、工事が始まっていないのは静岡県だけである。
どうすれば水問題を解決できるのか。この問題を話し合うために、国土交通省は有識者委員で構成する「専門家会議」を設置した。だがその人選を巡り、早くも国交省と静岡県との足並みは揃っていない。というのは、国交省は県が選んだ委員候補者を明確な理由もなく除外したのに、会議だけは「今月下旬には開始する」と明言したからだ。
川勝平太知事は「極めて遺憾。再考を求める」と国交省と対峙する姿勢を示している。
静岡県とJR東海の協議、5年以上続くも県民の不安は払拭されず

2020年2月10日に行われた「静岡県中央新幹線環境保全連絡会議」。向かって左に有識者、右にJR東海が対面で座る。県は奥側に座る
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