トランプ大統領が世界を震撼させた「漂白剤(家庭用消毒薬)を注射」発言はどれだけ危険か?

後片付けはたいへん

 明けて4月24日金曜日には、後片付けが始まりました。まず、「ライソル」ブランドのReckitt Benckiser Group plc.が声明を出しました*。 〈*Improper use of Disinfectants:(和訳)「消毒剤の不適切な使用」/「私たちは健康と衛生製品の世界的なリーダーとして、いかなる状況でも私たちの消毒剤製品が (注射、経口摂取、その他の経路で) 人体に投与されるべきではないということを明確にせねばなりません。すべての製品と同様に、私たちの消毒剤と衛生製品は意図された通りに、使用説明に沿ってのみ使用されるべきです。ラベルと安全情報をお読みください」〉  気の毒に、新型コロナ禍で消毒剤メーカーは需要増でウハウハの筈ですが、名指しで注射だ肺にスプレイだなどと大統領が言えば、まねをする人が出るかもしれません。そうすれば製造物責任で恐ろしいことになります。  次にワシントン州州軍・緊急管理部門の公式アカウントがツイートしました。 (和訳)”タイドポッド(消毒薬のトップブランド)を食べたり注射しないでください。#COVID19の問題についてサポートが必要な場合は、coronavirus.wa.gov に多数のリソースがあります。悪い状況を悪化させないでください。”  そしてロイターが世界へ配信*しました。 〈*”Trump’s COVID-19 disinfectant ideas horrify health experts” REUTER〉 *ロイター通信2020/04/25(JST)のツイートの和訳:「あなたは消毒剤を注射した後にCOVID-19で死ぬことはないかもしれませんが、それは注射ですでに死んでいるかもしれないからです」 :健康専門家は、トランプ大統領の提案の後、人々に飲まない、注射しないように促した#消毒剤。  合衆国大統領とは、世界最強の国家の国家元首です。その影響は人類最強と言えます。筆者は、素朴な思いつきや質問、疑問は大切と考えますが、大統領演説でこれは困ります。ホワイトハウスにはもっとガバナンスをしっかりして欲しいものです。  前回、筆者は化学薬品を安全に使うための3つの「べからず」を提示しました。 「飲むな、食べるな、混ぜるな、死ぬぞ」  まさかこれに「注射するな」「吸い込むな」を加える日がすぐに来るとは思いもしませんでした。  トランプ大統領は、本当に意外なことばかりします。今回は、バークス博士を心から気の毒に思いました。 ◆コロラド博士の「私はこの分野は専門外なのですが」新型コロナ感染症シリーズ2 <文/牧田寛>
Twitter ID:@BB45_Colorado まきた ひろし●著述家・工学博士。徳島大学助手を経て高知工科大学助教、元コロラド大学コロラドスプリングス校客員教授。勤務先大学との関係が著しく悪化し心身を痛めた後解雇。1年半の沈黙の後著述家として再起。本来の専門は、分子反応論、錯体化学、鉱物化学、ワイドギャップ半導体だが、原子力及び核、軍事については、独自に調査・取材を進めてきた。原発問題について、そして2020年4月からは新型コロナウィルス・パンデミックについてのメルマガ「コロラド博士メルマガ(定期便)」好評配信中
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