コロナ禍で強化される監視カメラや顔認証、ドローンを利用したリアル監視。感染拡大防止とプライバシーの狭間

ドローンによって行動を監視、警告を流す

 ドローンによる監視や警告は、中国、イギリス、オーストラリア、インド、スペイン、ベルギーで導入されている。  ドローンにはビデオカメラがついていることもあり、ロックダウン中の街の状況観察などに用いられている。多数が集まっているのを見つけるとドローンから警告を発する。顔認証システムを搭載したものや車のナンバープレートを認識できるものもある。(“Drones come in handy for police in enforcing lockdown”2020年4月6日、Live Mint、“WA police to use drones to enforce coronavirus restrictions”2020年3月30日、9NEWS、“Spain’s police are flying drones with speakers around public places to warn citizens on coronavirus lockdown to get inside”2020年3月16日、BUSINESS INSIDER) http://twitter.com/Stylianou_EU/status/1241405641266249728?s=20

感染者に追跡可能な装置をつける

 前回ご紹介した、コロナをきっかけにした監視の情報を集積しているTO10VPNでは、監視カメラやドローンの利用をカテゴリーにまとめて最新情報を掲載している。そこで取り上げられている追跡可能な装置は、ブルートゥースを利用したものが多く、バーレーンではブレスレット、アメリカのウェストバージニア州では足首に装置をつけさせている。(参照:“Bahrain launches electronic bracelets to keep track of active COVID-19 cases”2020年4月8日、mobile health news、“W.Va. judge allows ankle monitors for virus scofflaws”2020年4月6日、AP)

これは氷山の一角に過ぎない

 前回のスマホの追跡もそうだが、紹介しているのはいくつかの実例に過ぎない。もっとたくさんの監視が世界各地で行われている。  そしてそうした監視をより効果的にするのが社会信用システムである。次回は、コロナによって強化された社会信用システムをご紹介したい。 ◆ アフターコロナの世界 デジタル権威主義の台頭・2回 <文/一田和樹>
いちだかずき●IT企業経営者を経て、綿密な調査とITの知識をベースに、現実に起こりうるサイバー空間での情報戦を描く小説やノンフィクションの執筆活動を行う作家に。近著『フェイクニュース 新しい戦略的戦争兵器 日本でも見られるネット世論操作はすでに「産業化」している――』(角川新書)では、いまや「ハイブリッド戦」という新しい戦争の主武器にもなり得るフェイクニュースの実態を綿密な調査を元に明らかにしている
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