無差別のコロナと差別的な人間、新型コロナ経済対策に垣間見える国家主義の台頭

小野田紀美議員のレイシズム発言

小野田紀美議員の人種差別発言ツイート

自民党・小野田議員の差別発言

 現在、自民党参議院議員・小野田紀美氏の発言がインターネットで物議を醸している。この非常事態の中、日本政府の経済支援について、このようなツイートを残したのだ。  「選挙権も納税の有無は関係ありません。非課税世帯だろうが、高額納税者だろうが関係なく『日本国籍を持つ成人』が絶対にして唯一の条件。同様に、最終的な生活保障の責任を負うべきは国籍を持つ国です。他国が日本国民を同様に扱っているならば相互主義もあり得ると思いますが。国籍を軽んじ過ぎです」  小野田氏のこの発言は人種差別的だと批判され、ネット署名サイト「Change.org」では彼女の議員辞職を求め一万人以上が署名している。

行動制限と経済支援が必要なコロナ対策

 ここでまず、新型のコロナウイルス対策における経済対策の重要性について触れておきたい。  各国が新型コロナウイルスの対策で頭を悩ませる中、日本でもようやく「非常事態宣言」が発表され、東京・大阪をはじめとする都市部にて人々の行動を制限することとなった。  筆者の住む英国・ロンドンでも3月23日付で事実上のロックダウンが宣言され、それは今でも続いている。基本的には、医療従事者やその他、キーワーカーと言われる最低限の社会生活に不可欠な働き手以外の人々は、生活必需品・医薬品、そして1日1回に限られたエクササイズ以外での外出は制限された。  ここで多くの人々に降りかかって来る問題が、「お金」の話だろう。  もちろん、コロナ感染拡大を抑制するために外出制限を強いるということは人命にとって大切だ。コロナは罹患者であっても無症状の人が多いという報告があるため、「自分は大丈夫」と思いながら外出して他人を感染させてしまい、その結果身の回りの大切な人たちの命を奪うことになりかねない。  その一方で外出が制限されるということは、経済が滞るというということでもある。街から人の姿が消えた時、一番の痛手を被るのは飲食・小売店などの中小企業だ。また、各国がそれぞれ国外への渡航を禁止する中、旅行業や航空交通機関など、国内外問わず都市間をつなぐ産業にとっても大きな痛手だ。  ゆえに、この新型コロナ対策には行動制限と共に経済支援がとても重要な役割を果たすことになる。  米マイクロソフト社の創業者、ビル・ゲイツ氏は「経済はいくらでも立て直しがきく。でも人は死んだら生き返らない」という言葉を発信しているが、正直、この現状が続くと、生活破綻して別の意味で多くの人が亡くなる状況も全くあり得ない話ではない。
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英国では給与の80%を政府が保証
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