ミイラ事件のライフスペース残党が豊島区倫理法人会に集結中<シリーズ「風化」するカルト問題・第1回>

豊島区倫理法人会の会長でライフスペース幹部の釣部人裕氏(同会ウェブサイトより)

豊島区倫理法人会の会長でライフスペース幹部の釣部人裕氏(同会ウェブサイトより)

約20年前の「ライフスペース」事件の「残党」

 1999年11月。千葉県成田市内のホテルの客室から「ミイラ化」した男性の遺体が発見された。宿泊していた「ライフスペース」の代表者・高橋弘二氏と関係者たちは、遺体はまだ生きていたと主張。記者会見で、インドの「グル」であるサイババの弟子を自称するヒゲ面の高橋氏が「定説」「サイババの勝手なんです」などの迷言を披露しワイドショーを賑わせた。「ライフスペース事件」あるいは「ミイラ事件」と呼ばれるものだ。  その残党がいま、ライフスペースとは無関係の保守系倫理運動団体「豊島区倫理法人会」に複数、入り込んでいる。私が確認できただけでも、高橋氏が逮捕されて以降のライフスペース(SPGF=シャクティパット・グル・ファウンデーションの名で活動)の幹部だった釣部人裕氏が豊島区倫理法人会会長に。そのほか高橋弘二氏の妻・伸子氏を含め、少なくとも3人のライフスペースの元メンバーが「会員」として所属している。うち2人はミイラ事件の際に逮捕された人物でもある(後に不起訴)。  私の身辺では「倫理法人会に対する事実上の乗っ取りではないか」と疑う声もあるが、釣部氏本人は「そのような指摘は聞いたことがない」と語る。一方の倫理法人会の本部(一般社団法人倫理研究所)の担当者に見解を求めると、「知らなかった」と絶句した。  すでにミイラ事件を忘れている人も多いかもしれない。しかし未だに残党が活動し、既存団体がそれと気づかずに自団体に招き入れてしまっている。

ミイラ化遺体を「生きている」と言い張った

 ミイラ事件は、ライフスペースのメンバーだった男性が病気で入院中だった父親を連れ出し、成田市内のホテルで高橋氏のシャクティパットを受けさせたところ死亡してしまったというもの。シャクティパットのせいではなく、痰をつまらせたことによる窒息死だったとされている。  遺体発見後、高橋氏を含め11人が保護責任者遺棄致死の容疑で逮捕。うち高橋氏が殺人容疑で起訴され、亡くなった男性の息子が保護責任者遺棄致死の容疑で起訴。ほかは不起訴となった。  事件発覚から逮捕されるまでの間、高橋氏らライフスペース関係者は記者会見やメディアの囲み取材で、ミイラ化した遺体について警察が発見した時はまだ生きていた、司法解剖によって死亡したなどと主張。高橋氏がメディアの前で意味不明な持論を「定説」として披露した。またサイババの弟子を自称している点について、サイババ側が否定しているとメディアから尋ねられた高橋氏は「それはサイババの勝手なんですよ!」という、よくわからない反論で逆ギレしてみせた。  こうした様子をワイドショーなどが面白おかしく取り上げた。
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百戦錬磨の潜入ライターすら異常をきたす
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