見せかけだけの安倍「108兆円」コロナ経済対策。その寄せ集めのハリボテっぷりに驚愕

People seen standing in fron of a large television screen as

Photo by Viola Kam/SOPA Images/LightRocket via Getty Images

「緊急事態宣言」とともに出された緊急経済対策

 2020年(令和2年)4月7日。火曜日の夕刻5時30分。ほとんどのテレビ各局は通常の放送を切り替え、総理大臣官邸で開かれている新型コロナウイルスに関する政府対策本部の生中継を始めた。  長テーブルの真ん中に座った安倍晋三首相は東京都、千葉県、埼玉県、神奈川県、大阪府、兵庫県、そして、知事から要望のあった福岡県の7都府県に対して緊急事態宣言をした。首相は「全国的かつ急速な蔓延(まんえん)により、国民生活および国民経済に甚大な影響を及ぼす恐れがある事態が発生したと判断した」とペーパーを読み上げた。  ニュース速報が流れ、大都市の繁華街にあるビジョンなどでも緊急事態宣言が発出されたことを伝えた。午後7時過ぎからは記者会見も開かれ、民放テレビ局でも通常の夕刻の楽しいバラエティ番組を差し替え報道特番に切り替えるところも出た。  この日、首相は前日からメディアで流布されてきた緊急経済対策を正式に発表した。その規模を特に強調した。諸外国にも引けを取らないGDP(国内総生産)20%にもなる総額108兆円の新型コロナウィルスへの緊急経済対策だという。  それまで、国民や企業に幾度となく自粛は求めても、補償や援助に関しては単発で案や方向性は出たとしても、具体的で大規模なパッケージでの発表はなかった。私も108兆円という数字を聞いて胸を撫で下ろした。これで、産業も国民も腰を入れて、戦後最大の国難である新型コロナウィルス と戦えると思ったからだ。

数字だけ一人歩きする「108兆円」の不自然さ

 108兆円。その日から日本の1年分の国家予算に匹敵する数字が一人歩きしている。テレビや新聞、雑誌でも、対策予算は108兆円と繰り返し喧伝される。しかし、私はあれ?と思った。首相がことさらに強調する1世帯あたり30万円の給付金や中小企業や個人事業主への援助もあまりにもハードルが高い。WHO(世界保健機構)が役に立たないという布製の通称アベノ・マスクの466億円を含めても108兆円との隔たりがあまりにも大きい。  少し調べていくと驚くことがわかった。108兆円の対策をするために発行される赤字国債はたったの14兆4767億円だった。108兆円の対策をするのであれば、108兆円をどこからかお金を引っ張ってこなくてはならないと思っていた。しかし、実際は約14兆5000億円。この差はいったいどういうことなのだろう。  第二次世界対戦以降初めての全地球規模で人類に襲いかかる生命の危機であり、最悪の経済のダメージでもある新型コロナウイルス問題。ここで政府は、断固として国民の生命と生活を守り、このコロナ危機が去った後に経済をV字回復させるために、産業を保全しながら一時は休ませなくてはならないはずだ。そのために十分な金を使わなくてはならない。今は平時ではない。非常時なのだ。民主主義の戦後日本で初めてと言っていい私権の制限も含む緊急事態宣言が発出されたのである。この安倍首相の言う108兆円の経済対策は私たちが期待していい108兆円なのか?
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自粛と我慢を受け入れていた国民
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