閣僚・与党幹部の相次ぐ「不要不急」な沖縄訪問から見えてくる、安倍政権の危機管理能力の欠如

国際通りを視察する菅義偉官房長官

新型コロナウイルスの影響で観光客が減少した国際通りを視察する菅義偉官房長官(写真/時事通信)

外出自粛中の官房長官の沖縄入り

 安倍晋三首相と小池百合子東京都知事が都民への外出自粛を要請している最中の3月29日、驚くべきニュースが報じられました。小池知事は25日に「感染爆発の重大局面だ」と記者会見し、週末に不要不急の外出を自粛するよう、都民に求めました。翌26日、神奈川県の黒岩祐治知事も「特に今週末は外出の自粛をお願いします。今の時期が非常に重要」と会見しました。28日、安倍首相も〈「医療崩壊は決して対岸の火事ではない。恐ろしい敵と不屈の覚悟で戦い抜かなければならない」と述べ、東京都の小池百合子知事らが要請した外出自粛に応じるよう求めた〉と報じられています。  外出自粛が求められた29日、菅義偉官房長官と赤羽一嘉国土交通大臣が沖縄県を訪問したのです。毎日新聞によると〈菅義偉官房長官は29日、沖縄県の那覇空港(那覇市)で開かれた第2滑走路の供用開始式典に出席し、「残念なことに新型コロナウイルスで大きな影響を受けているが、観光を中心とする沖縄の産業基盤が失われないように金融面などで支援したい」と述べた〉とのことです。  同日、自由民主党の岸田文雄政務調査会長も、小渕優子元経済産業大臣とともに、沖縄県を訪問していました。自民党の宮里ひろふみ西原町議会議員が、Twitterで明らかにしています。  この内閣・与党の幹部による沖縄訪問は「不要不急の外出」だったのではないかと、疑問を抱かざるを得ません。そのように考える根拠は、次のとおりです。

内閣与党幹部の沖縄訪問は「不要不急の外出」

 まず、菅官房長官の那覇空港式典の出席について、同行した赤羽国交大臣が「観光政策のため」と述べています。先の毎日新聞の報道によると〈危機管理を担当する官房長官が東京を離れるのは異例だが、地元関係者との面会に同席した赤羽一嘉国土交通相は「官房長官が東京を離れることに批判も多いが、(第2滑走路は)沖縄の皆さんの夢だ。今日から観光政策の反転攻勢ののろしを上げようということだ」と意義を強調した〉とのことです。人々に外出自粛を求めておいて、もう一方で外出促進(観光)を訴えるのは、矛盾でしかありません。  しかも、どうしても安倍内閣から代表者が出席しなければならない式典だとしても、二人も国務大臣が出席する必要はありません観光政策・航空政策を所管する赤羽国交大臣が出席しているのですから、菅官房長官が出席する必然性は乏しいのです。つまり、不要不急というわけです。  次に、岸田政調会長らの訪問については、3日前に同じ要望が都内の自民党本部でなされています。宮里議員のTwitterによると、彼らが自民党本部を訪ね、要望をしているとのことです。その話を聞いた岸田政調会長らが、わざわざ沖縄県を訪問し、同じ要望を受け取ったというのです。つまり、これも不要不急というわけです。  これらから、安倍首相らが人々に外出自粛を求める一方、政府与党の幹部が「例外」として自由に振舞っている様子が伺われます。まるで、独裁国家の「特権階級」のように見えるのは、筆者だけでしょうか。
次のページ
菅官房長官はコロナ危機で何をしているのか
1
2
3
PC_middleRec_left
PC_middleRec_right
関連記事
PC_fotterRec_left
PC_foterRec_right