LGBT被収容者に対する差別やイジメも。入管の被収容者たちが国会議員に訴えた人権侵害

LGBTの被収容者に対する差別やイジメ

 ペルー国籍のナオミさんは日本語があまり堪能ではなく、スペイン語の通訳を介しながら自分の置かれている境遇を伝えた。  ナオミさんはLGBTで、10歳のころからみんなと違うと感じるようになっていったという。ペルーではLGBTへの理解が薄く、ナオミさんは石を投げられたり、殴られたり、罵倒されることなどがあった。ナオミさんのLGBTの親友は、石を投げられたことによって死んでしまった。  ペルーでは暮らしていけないと考えたナオミさんは「日本は良い国だ」と聞いて来日する決意をした。日本では自分を受け入れてもらえ、LGBTの友達もできて嬉しかった。しかし名古屋入管に11か月、牛久入管(茨城県)3年2か月、トータル4年以上の収容で精神的に参ってしまった。  職員に差別やイジメをうけたりすることはしばしばあった。独房ではなく、わざと男性と同じ雑居房に入れられた。ナオミさんと同じ部屋は嫌だと言う人もいて、辛い思いをした。ハンストを40日して体を壊したこともあった。今は解放されて、少しずつ元気になってきたという。

「精密検査が必要」という医者に入管職員は「6か月後でいいです」

ダヌカさん

「うつ病にかかってしまったため、大量の薬を摂取しなければならなくなった」と語るダヌカさん

 スリランカ国籍のダヌカさんはこう語った。 「一度目の来日で他人名義のパスポートを使って来日しました。その後、帰国して何年かが経ち、今度は本名のパスポートで来日しました。後日収容され、1度目に使った偽名でしか入管は認めてくれない。スリランカ大使館も私の本名を認めてくれているのに、入管が本名を認めてくれない。母国に送還することもできないのに、収容され続けました。  うつ病のため、12月に解放されましたが回復しない。収容所内では、職員が私を偽名で呼び、それに返事をしないと怒鳴られたり、荷物を使わせてもらえなかったりしたこともあります。親もらった大事な名前なのに、非常に屈辱的です。入管は人間として扱ってくれませんでした。  ある日、わき腹にしこりができて、職員に言ったら3~4週間後に医者に連れて行ってくれました。医者は『脂肪ではない。精密検査が必要』と言いましたが、職員が後ろから『6か月後でいいです』と勝手に言った。そんなことはあってはならない。こんなことだから入管で17人も死んだんです。70kgあった私の体重は、うつになり水も飲めなくて47kgになってしまいました。  外国人で法律が分からないことを逆手にとって、好きにやっていることが非常に問題です。あまり外に情報がでていないから好き勝手やっている。皆さんの力でこの問題を社会に出してほしい。  県外に行けない、仕事しちゃいけない。解放されたが入管にいつ見られているか、いつ来るか、いつ収容かさるかわかりません。また死者が出る前にみんなで頑張っていけたらと思います。みんなの力を借りて、みんなが幸せになる日を待っています」
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制度を変えていくには政治の力、世論の訴えが必要
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