おそらく伝説に残るレベルだと思います。感染学の第一人者・岩田健太郎さんが「クルーズ船のゾーニングができていない」と警鐘を鳴らしたのに対して、いろんな奴が「岩田健太郎がデタラメを言ってるだけ!」と反論したのですが、もちろん、現場の最前線にいる橋本岳厚労副大臣も反論。現場にいる人間として「ゾーニングができていない」なんて言われたら黙っちゃいられないという話でしょう。Twitterでゾーニングされている様子を報告しようと思ったんでしょうけど、橋本岳パイセンはこんなツイートをかましました(削除済み)。
橋本岳厚生労働副大臣伝説のツイート(削除済み)
岩田健太郎さんに「たった2時間いただけのオマエに、一体、何がわかるんだ!」と反論していた人物がいましたが、橋本岳パイセンの「内部告発でもするつもりなんか?」という画像を見れば、素人でも「秒」でゾーニングできていないことが分かります。これのどこがゾーニングやねん!! 皆さんはこの写真からどれだけのツッコミどころを見つけられるでしょうか。ちょっとした間違い探しみたいになっています。あくまでも感染症の素人による視点ですが、ざっくり僕が「これはどうなのか?」と思った点は以下の通りです。
まず、めちゃくちゃ初歩中の初歩なんですけど、清潔ルートと不潔ルートがロープで仕切られているだけで、中がコネクティングルームになっている。新型コロナウイルスは「エアロゾル感染するのではないか」ということが既に指摘されている中で、不潔ルートと清潔ルートが仕切られていないというのは、だいぶ頭がおかしいです。清潔ルートの人は余裕をぶっこいて、アウターまで着ていますが、装備品が最小限ではないところも感染する確率を増やしています。さて、問題はここからです。
●トイレが清潔ルートでも不潔ルートでもないところにある
橋本岳パイセンの写真を見る限り、このトイレの前にロープがある様子もないので、誰もが普通に使えるのでしょう。しかし、この新型コロナウイルスには既に「糞口感染」が認められています。ノロウイルスと同じように、感染者が使うトイレは最高に危険なのです。ところが、この写真を見る限りでは誰でも自由にトイレを使うことができるように見えます。これでは、感染待ったなしです。
●不潔ルートにいる人物も防護服を着ていない
不潔ルート側に写っている人がいるんですが、この人が明らかに防護服を着ていません。言っておきますけど、これは岩田健太郎さんの告発を受けてのツイートですから、岩田健太郎さんの告発を受けてなお、不潔ルート側に防護服を着ていない人がいるのではないかと思ってしまいます。
●ルートの奥の部屋もコネクティングルーム&ドア開放
天井の状態を見るに、手前の部屋だけでなく、清潔ルートと不潔ルートの先にある部屋もコネクティングルームになっているように思えます。いくら和泉洋人補佐官と不倫している大坪寛子さんが国会の審議に出席したくないためにクルーズ船の業務にあたっているとはいえ、ゾーニングするべき場所までコネクティングルームにする必要はありません! っていうか、ここを一番コネクティングルームにしたらアカンのです!
●橋本岳パイセンがiPhoneを持ち込んでいる
iPhoneを持ち込んでいるということは、橋本岳パイセンがいる場所というのは清潔ルートだということになろうかと思いますが、だとすると、清潔ルートと不潔ルートがダイレクトに結ばれていることになります。お菓子の工場ですら、工場に入るのに着替える場所と、ホコリなどを落とす場所と、いくつかの段階を経なければ入ることができないし、入口と出口が分かれているぐらいに衛生面には気を付けているのに、清潔ルートと不潔ルートが「直」でつながっていて、靴を変えている様子もありません。これだと靴の裏からウイルスが清潔ルートに入り込むと思うのですが、その清潔ルートは安全なのでしょうか。厳密に言えば、船そのものが汚染されている可能性があるわけですから、その区分けは船の外でやるべきではないでしょうか。巷の焼肉屋ですら「O-157対策」で厨房では長靴を履いていると思うのですが、巷の焼肉屋にも劣るぐらいの意識で、人が死ぬかもしれない感染症と向き合っているということです。こんなの船の中で感染が拡大するのは当たり前じゃないでしょうか。
もちろん、これは写真から素人が類推しただけなので、実は現場では対応できていたのかもしれません。いや、そうあってほしいとすら思っています。