削除後も波紋を呼ぶ「岩田告発」。なんと現役厚生労働副大臣が船内ゾーニングの不備がよくわかる写真を投稿、後削除

「頑張っているのに」への違和感

 当サイトが高山氏の投稿を見て感じたのは、現場に関与する人々の混乱と大変さであり、現場の医師やスタッフも頑張っている、ということだ。  しかし、気になった点もある。  一つは、岩田氏も主張しているように、「ゾーニング」は「完全ではない」のである。感染症の拡散予防において、ゾーニングは完全に行われてこそ意味をなす。どんなに「頑張って」いようが、「完全ではない」では、「できていない」とほとんど変わらないのではないかということだ。  もう一つは、高山氏の主張がかなり情緒的なものだということだ。「みんな頑張っているんだから、空気を読まないで改善の指示を出されてもみんな煙たがるだけ」というように読める主張には違和感を覚えずにはいられない。現場で頑張っていらっしゃる方々は尊重されるべきだ。しかしその環境がどう考えても「感染拡大を防ぐ」という視点でみておかしければ、煙たがられても意見するのがまっとうな行為であり、それに耳を傾けるのがまっとうな行為であろう。「まわりの空気を乱さぬように意見しない」「あるいは、聞いてもらえるような姿勢で言え」は、喫緊の事態において意味がないどころか害悪ですらある。  岩田氏が批判しているのはまさしく、その「頑張った」ことだけで終わりにしてCDCの設立すらもまともに検討しなかった考え方なのではあるまいか。  「空気を読んで異論を言わない人を尊重し、異論を言う人間を排除する」風潮こそが、どこかのトップの言うままに、公文書改ざんなど好き放題にさせ、国家を崩壊せしめているのは言うまでもないだろう。

なんと厚労副大臣が「告発」!?

 ともあれ、高山氏は現場で頑張られているので、これ以上の言及は当サイトとしても特にないが、彼の岩田氏への反論を、「政権サイドの予防策は無謬」とばかりに、一切の反省をしない与党政治家の姿勢には疑問を抱かずにはいられない。  そんな中、与党政治家でも気概がある方が一人おられた。  岩田氏の主張が、あたかも「2時間程度しか見ていないデタラメ」とでも言いたげに拡散する政権擁護派であるが、なんと真っ向から「ゾーニングが不適切に行われているデタラメな状況」であることを、船内から画像つきでツイートした政治家がいたのだ。  それは、厚生労働副大臣の橋本岳氏だ。橋本岳氏は、19日のツイートで”ちなみに、現地はこんな感じ。画像では字が読みにくいですが、左手が清潔ルート、右側が不潔ルートです”と画像つきでツイート。これがまったくゾーニングとしてなっていない画像だったのだ。
橋本岳氏のツイート

橋本岳氏のツイート(削除済み)

 これには岩田氏もすかさず反応。 ”この手前(写真撮ってるとこ)が清潔不潔が完全にクロスするゾーンになる、ということがおわかりいただけますでしょうか。”(岩田氏のツイートより) ”橋本さんに助けてもらうとは夢にも思わなかった。厚労省の裏工作と根回しの構図は全く理解できない。”(岩田氏のツイートより)  その後、何らかの圧力があったのか、厚労副大臣自らの「告発」の反響の大きさに当惑したのか、それとも何らかの不都合があったのか、なぜか橋本氏はその後、この画像つきのツイートを削除してしまった。とはいえ、当初”なお昨日、私の預かり知らぬところで、ある医師が検疫中の船内に立ち入られるという事案がありました。事後に拝見したご本人の動画によると、ご本人の希望によりあちこち頼ったあげくに厚生労働省の者が適当な理由をつけて許したとの由ですが、現場責任者としての私は承知しておりませんでした。”などと、「俺のメンツを傷つけて」的なツイートをしていた橋本氏からのよもやの「援護射撃」に、驚嘆の声が上がり、無事、画面キャプチャ付きで大いに拡散したのである。  なお、本稿執筆時点で厚生労働省から「ダイヤモンド・プリンセス」船内で事務業務を行っていた厚生労働省の職員1人と内閣官房職員1人の感染が確認されたと発表があった(参照:NHK)。患者との接触が考えづらい事務業務での感染。つまりは、岩田氏の言う通り、レッド・ゾーンとグリーン・ゾーンのゾーニングが適切ではなかったことの証左ではあるまいか。  ともあれ、「ダイヤモンド・プリンセス」内で感染してしまった方や感染した職員の快復を、そして下船された方々のご無事を祈りたい。 <文/HBO取材班>
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