千葉県長生村ですでに開設されている無認可の「ハッピー・サイエンス・ユニバーシティ」
2月5日の衆議院予算委員会で
国民民主党・大西健介議員が、幸福の科学大学について質問。
萩生田光一文科相が、現在認可申請中の「幸福の科学大学」が2014年に不認可となった当時、学校法人幸福の科学学園側に対して助言を行ない、文科相側との仲介役を果たしていた事実を認めた。
同大学の教義に基づくオカルト教育などの問題については、すでに本誌でリポートしてきた(参照:
萩生田文科相下で進む認可手続き。審議会へ諮問された「幸福の科学大学」とは?、
「審議会に諮問された「幸福の科学大学」の「教育」と、その問題点)。
そして今回、さらに別の問題が新たにわかった。仮に
認可されても定員を確保できない可能性が高い、という問題だ。
同大学に学生を送り込む最大の供給源である系列校「
幸福の科学学園」(中学・高校)の入学者が定員割れしており、定員充足率は2019年度入学の高校1年生は80%を割り込んでいる。本格的な定員割れが始まった2018年度の高校入学者は、2020年度(2021年春)に卒業する。幸福の科学大学の開設初年だ。
仮に幸福の科学大学が認可されたとしても、開設初年から同大学に「教団内少子化」の波が襲いかかる。
定員割れを起こしている幸福の科学学園那須校
幸福の科学大学の認可を申請している学校法人幸福の科学学園は、栃木県那須町と滋賀県大津市でそれぞれ幸福の科学学園(中学・高校)を開設し運営している。栃木県の那須校は2010年開校、滋賀県の関西校は2013年開校。生徒は全員が信者で、親が信者である2世・3世が中心とみられる。
2014年に大学が不認可となった際、教団は大学用に建設した千葉県長生村の施設を使って無認可の
「ハッピー・サイエンス・ユニバーシティ」(HSU)を翌2015年春に開設。「入学」しても一切の学歴にならず、文科省の学校基本調査においても「進学」扱いにならないのに、教団はここに大量の若い信者を入学させてしまった。
HSU開設初年には学園那須校の卒業生約100人のうち約8割が、進学も就職も放棄してHSUに「入学」した。早稲田・慶応大学に合格していた約30人の大半も、大学入学を放棄してHSUに進んだ。
HSU開設2年目からは学園関西校からも卒業生が出始め、現在に至るまでこの2つの高校がHSU生の最大の供給源となっている。
定員割れを起こしている幸福の科学学園関西校(写真:滋賀県提供)