大学認可をめぐる政治の関与を、萩生田文科相個人の関わりと見るだけでは不十分だ。
幸福の科学は安倍政権を批判して見せる場面もあるものの、選挙においては様々な局面で、自民党と相互補完の協力関係を保ってきた。
石垣市議会では、選挙で
幸福実現党の推薦を受けていた友寄永三氏が
「自由民主党石垣」会派に入っている。昨年の統一地方選では、当選した幸福実現党公認候補者たちを、国会議員を含む自民党の議員たちが支援している(参照:
統一地方選で幸福実現党(幸福の科学)はなぜ19人も当選したのか?)。
教団が公表していた前回の大学申請をめぐる各方面とのやりとりを見ても、当時の下村博文文科相が否定的な発言を行なったのは、文科省側からの注文に反発した大川隆法総裁が下村氏などの霊言を出版して「攻撃」を始めようとして以降だ。その際も、下村氏自身が教団側に対して「萩生田から聞いている」といったたぐいの発言をしたとされている。
当時、党の「総裁特別補佐」だった萩生田氏が大学を認可させる方向で幸福の科学側に助言をしていたのは、党や下村文科相の「お手伝い」と見るのが自然だ。少なくとも、党や下村氏の意向に反しないものとして許容されていた。
幸福の科学大学については、オカルト教育や歴史修正的な政治教育、そして2世問題など、通常の学校認可の基準やプロセスが想定していない特有の問題が多い。しかし大学を継続的に安定して運営できるかどうかという点は、従来の大学認可の基準においても想定されている重要ポイントだ。
このような不合理な状況にある大学を敢えて認可するなら、前回2014年の申請の際に「仲介役」だった萩生田文科相や政権による「お友達びいき」と疑われても仕方がないのではないか。
昨年の
10月5日付け日刊ゲンダイは、この問題を報じた記事に〈モリカケに続く〝学園モノ〟か〉とのサブ見出しを打った。これ以上的確なフレーズが思い浮かばない。
<取材・文・写真/藤倉善郎>