「布団から出たくない」「脱衣所で裸になりたくない」と思う日本人、思わないドイツ人

「冬の家は寒いのが当たり前」という誤った常識を捨てよう

ストーブ ドイツの例を中心に書いてきましたが、ドイツが特別なことをやっているわけではありません。2018年に世界保健機構(WHO)は、冬の住宅で健康を守るための室温として、最低でも全室「18℃以上」あるべきと強く勧告しました。  そしてその対策として、新築時や改修時に家を断熱することを推奨しています。健康的な生活のために居室を温かくして過ごすことは、特定の国だけではなく世界的な常識になってきているのです。  技術的には、日本のものだけで十分に温かい家を作ることは可能です。遅れているのは、寒さに対する意識です。これからの「住まいの新常識」について、昨年末に筆者がまとめた電子書籍『「寒い住まい」が命を奪う~ヒートショック、高血圧を防ぐには~』では詳しく説明しています。  断熱はやればやるほど効果が出て、エネルギーの浪費を抑えるだけでなく、寒さの改善や健康的な生活の実現にもつながります。「冬の家は寒いのが当たり前」という誤った常識を捨て、国も、自治体も、そして個人でも、できることをすべてやるくらいに変わる必要があります。  <文/高橋真樹>
ノンフィクションライター、放送大学非常勤講師。環境・エネルギー問題など持続可能性をテーマに、国内外を精力的に取材。2017年より取材の過程で出会ったエコハウスに暮らし始める。自然エネルギーによるまちづくりを描いたドキュメンタリー映画『おだやかな革命』(渡辺智史監督・2018年公開)ではアドバイザーを務める。著書に『ご当地電力はじめました!』(岩波ジュニア新書)『ぼくの村は壁で囲まれた−パレスチナに生きる子どもたち』(現代書館)。昨年末にはハーバービジネスオンラインeブック選書第1弾として『「寒い住まい」が命を奪う~ヒートショック、高血圧を防ぐには~』を上梓
1
2
3
「寒い住まい」が命を奪う ~ヒートショック、高血圧を防ぐには~

家が寒いと光熱費がかさむだけではなく、健康にも大きな影響が…

バナー 日本を壊した安倍政権
新着記事

ハーバービジネスオンライン編集部からのお知らせ

政治・経済

コロナ禍でむしろ沁みる「全員悪人」の祭典。映画『ジェントルメン』の魅力

カルチャー・スポーツ

頻発する「検索汚染」とキーワードによる検索の限界

社会

ロンドン再封鎖16週目。最終回・英国社会は「新たな段階」に。<入江敦彦の『足止め喰らい日記』嫌々乍らReturns>

国際

仮想通貨は“仮想”な存在なのか? 拡大する現実世界への影響

政治・経済

漫画『進撃の巨人』で政治のエッセンスを。 良質なエンターテイメントは「政治離れ」の処方箋

カルチャー・スポーツ

上司の「応援」なんて部下には響かない!? 今すぐ職場に導入するべきモチベーションアップの方法

社会

64bitへのWindowsの流れ。そして、32bit版Windowsの終焉

社会

再び訪れる「就職氷河期」。縁故優遇政権を終わらせるのは今

政治・経済

微表情研究の世界的権威に聞いた、AI表情分析技術の展望

社会

PDFの生みの親、チャールズ・ゲシキ氏死去。その技術と歴史を振り返る

社会

新年度で登場した「どうしてもソリが合わない同僚」と付き合う方法

社会

マンガでわかる「ウイルスの変異」ってなに?

社会

アンソニー・ホプキンスのオスカー受賞は「番狂わせ」なんかじゃない! 映画『ファーザー』のここが凄い

カルチャー・スポーツ

ネットで話題の「陰謀論チャート」を徹底解説&日本語訳してみた

社会

ロンドン再封鎖15週目。肥満やペットに現れ出したニューノーマル社会の歪み<入江敦彦の『足止め喰らい日記』嫌々乍らReturns>

社会

「ケーキの出前」に「高級ブランドのサブスク」も――コロナ禍のなか「進化」する百貨店

政治・経済

「高度外国人材」という言葉に潜む欺瞞と、日本が搾取し依存する圧倒的多数の外国人労働者の実像とは?

社会