障害を持つヒロインの成長を描く。『37セカンズ』HIKARI監督に聞く<映画を通して「社会」を切り取る9>
主演の佳山明さんとの出会い
 自分が用意していたストーリーは、性と主人公の社会での立ち位置にフォーカスしたものだったのですが、明さんのピュアでおぼこい感じ、何も知らない、生まれたての卵のような気質に合っていなかったんですね。明さんの気質を映画に活かしたかったので、明さんにもヒアリングして脚本を書き直しました。
――劇中では入浴シーンなど障害者の方々の生活がリアルに描かれていますね。
HIKARI:障害者の方々の生活については、熊篠さんはもちろん、いろんな人たちに聞きました。寝る時間も食べる時間も排泄の仕方も、生活スタイルはみんな違うんですね。
 明さんにも、もちろん明さんのスタイルがありました。なので、明さんがお風呂に入るのを手伝ったり、介助師の方の様子を見て脚本の中に取り入れていきました。明さんとは一緒に映画にも行って共に多くの時間を過ごしましたね。
――明さんとはどのようにして出会ったのでしょうか?
HIKARI:スタッフで力を合わせてみつけました。「車椅子に乗っている女性募集」として、日本全国の会社や団体にFacebookも使いながらオーディションの告知をしました。1000件ぐらい当たりましたね。最終的に約50人の女性にオーディションに来ていただき、最後2名まで絞って明さんに決めました。
 最初のシーンを2つ3つやってみて、明さんだと思いました。彼女の持つ初々しさが、恋愛をしたことがないという映画の設定にぴったりだったんです。
 自分が用意していたストーリーは、性と主人公の社会での立ち位置にフォーカスしたものだったのですが、明さんのピュアでおぼこい感じ、何も知らない、生まれたての卵のような気質に合っていなかったんですね。明さんの気質を映画に活かしたかったので、明さんにもヒアリングして脚本を書き直しました。
――劇中では入浴シーンなど障害者の方々の生活がリアルに描かれていますね。
HIKARI:障害者の方々の生活については、熊篠さんはもちろん、いろんな人たちに聞きました。寝る時間も食べる時間も排泄の仕方も、生活スタイルはみんな違うんですね。
 明さんにも、もちろん明さんのスタイルがありました。なので、明さんがお風呂に入るのを手伝ったり、介助師の方の様子を見て脚本の中に取り入れていきました。明さんとは一緒に映画にも行って共に多くの時間を過ごしましたね。
――明さんとはどのようにして出会ったのでしょうか?
HIKARI:スタッフで力を合わせてみつけました。「車椅子に乗っている女性募集」として、日本全国の会社や団体にFacebookも使いながらオーディションの告知をしました。1000件ぐらい当たりましたね。最終的に約50人の女性にオーディションに来ていただき、最後2名まで絞って明さんに決めました。
 最初のシーンを2つ3つやってみて、明さんだと思いました。彼女の持つ初々しさが、恋愛をしたことがないという映画の設定にぴったりだったんです。
演技ではなく「導く」演出を
くまのまさえ ライター、クリエイターズサポート行政書士法務事務所・代表行政書士。早稲田大学法学部卒業。行政書士としてクリエイターや起業家のサポートをする傍ら、自主映画の宣伝や書籍の企画にも関わる。
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        監督・脚本:HIKARI
出演: 佳山明、神野三鈴、大東駿介、渡辺真起子、熊篠慶彦、萩原みのり、宇野祥平、芋生悠、渋川清彦、奥野瑛太、石橋静河、尾美としのり/板谷由夏  
2019年/日本/115分/原題:37 Seconds/PG-12/配給:エレファントハウス、ラビットハウス/ (C)37 Seconds filmpartners
挿入歌:「N.E.O.」CHAI <Sony Music Entertainment (Japan) Inc.>
2020年2月7日、新宿ピカデリーほか全国順次ロードショー
        この連載の前回記事
    
        
    
        2020.02.03    
    
    
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