安倍首相と枝野代表の「施政方針演説」を比較してみた

与党ブロックと野党ブロックの国家方針はまったく異なる

 国政選挙になると、しばしば与野党の違いが分からない、争点が示されないと報じられますが、施政方針演説を見る限り、決してそのようなことはありません。むしろ、自民党を中心とする与党ブロックと、立憲民主党を中心とする野党ブロックは、基本的な国家方針からして大きく違います。決して、個別具体の政策や細かい部分が違うだけではないのです。 与党ブロック:垂直統合型の従来の経済構造を守りつつ、高い経済成長を再び実現する。そのためには、個人よりも国家・全体を重視する国家方針とし、制約となっている憲法を改正する野党ブロック:雇用などの社会問題を解決し、水平分散型の経済構造に転換して、持続的な経済活力を得る。そのためには、憲法理念と同じく、国家・全体よりも個人を重視する国家方針とする。  こうした与党ブロックと野党ブロックの国家方針の違いについては、筆者の新刊『政権交代が必要なのは、総理が嫌いだからじゃない-私たちが人口減少、経済成熟、気候変動に対応するために』(現代書館)で、様々なデータやファクトを用いて論じました。この論考をお読みになり、より詳しくお知りになりたい方は、本書をご覧いただければ幸いです。  そして、きたる総選挙では、与党ブロックと野党ブロックの国家方針の違いを踏まえ、求める国家像を有権者が慎重に考えて、投票することが必要です。そのためには、SNSを含めた様々な場で、有権者が公論を積み重ねることが大切になります。  誰もが考え、発言し、他者の意見を聞いて再び熟慮する。2020年の日本が、このような公論を深めることになれば、どのような選挙結果になっても、明るい日本を切り拓くことになるでしょう。 <文/田中信一郎>
たなかしんいちろう●千葉商科大学准教授、博士(政治学)。著書に著書に『政権交代が必要なのは、総理が嫌いだからじゃない―私たちが人口減少、経済成熟、気候変動に対応するために』(現代書館)、『国会質問制度の研究~質問主意書1890-2007』(日本出版ネットワーク)。また、『緊急出版! 枝野幸男、魂の3時間大演説 「安倍政権が不信任に足る7つの理由」』(扶桑社)では法政大の上西充子教授とともに解説を寄せている。国会・行政に関する解説をわかりやすい言葉でツイートしている。Twitter ID/@TanakaShinsyu
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