ハンドピースを満足に滅菌・交換しないことが多い日本の歯科と比べ、タイの歯科の衛生は完璧に保たれている
たびたび問題になる「歯を削る器具の”使いまわし”」
日本の歯科は、タイの歯科より段違いに不潔である--書き間違いではない。日本のほうが不潔であり、この点に関しては議論の余地が一切ない。
「ハンドピースは、歯を削る時に歯科医が握っている、銀色の太いペンみたいな形をした部分です。これは患者さんの口の中に入れるので、血液や唾液が必ず付着します。だから、一人ずつ交換しなくちゃいけないし、国の指導も出ていました」(『やってはいけない歯科治療』岩澤倫彦著・小学館新書pp.178より引用)
しかし、2014年5月19日読売新聞が「歯削る機器 七割使い回し」と日本歯科医療の闇を告発したほか(参照:
「読売新聞」記事のInternet Archive)、その後にも2019年にはPRESIDENT3月18日号で
「歯科医の5割が口に入れる器具を使い回す 歯医者告白”絶対受けたくない治療”」、7月1日配信のAERAで「
歯を削るドリルの「使い回し」が36% 歯科医が明かす裏事情とは?」など、度々問題になっているのが現実なのだ。
なんと日本ではハンドピースを満足に滅菌しない歯科医が多数!
ただ、読売新聞の記事をよく読むとこの「七割」すら疑わしいことがわかる。同記事を引用しよう。
「2014年1月までに891施設(28%)から回答を得た。(中略)計66%で適切に交換しておらず、指針を逸脱していた」
つまり、全体「28%」の中で、さらに「34%」のみが「適切に交換」、つまり患者一人一人に対して滅菌処理をした新しいハンドピースを使っていることになる。
普通に考えて、もしハンドピースを交換しているならこのアンケートに対して自信をもって回答するはずだ。
つまり、回答しなかった残り72%も、毎回ハンドピースその他を洗浄や消毒だけで、適切な「滅菌処理」した器具に「交換」していない可能性も否めないのだ。(ちなみに、消毒とは、“人体に有害な微生物の感染性をなくすか,数を少なくすること”であり、滅菌とは“すべての微生物を殺滅させるか,完全に除去すること”である。参照:
北大病院感染症対策マニュアル)