10月25日の辞任以降、国会を欠席し雲隠れを続ける菅原一秀前経産相。連日何をしているのかと地元有権者の間でも話題になっていたが、ついにその動向が明らかとなった。
菅原はある月刊誌に掲載された記事のコピーを持って地元の後援者の自宅を訪ね、自身の正当性を説明して回っているというのだ。菅原を擁護する内容が書かれたその記事は「
経産相辞任の陰に小池都知事 内部告発者の元秘書は都民ファースト陣営」と題されたものだ。
菅原が後援者を訪ね、手渡ししている『月刊ベルダ』(KKベストブック)なる雑誌記事のコピー
大臣辞任以降、一般の有権者の前に全く姿を見せていない菅原。30年近く地元で続けてきたという”毎朝7時”からの駅頭活動も行っておらず、例年必ず現れていた11月の練馬での酉の市にも姿を見せなかった。
「毎日更新」とオフィシャルサイトに掲げているFACEBOOKの他、Twitter、ブログの更新も10月31日で止まったままだ。
そのため、動向について様々な憶測を呼んでいた。
練馬駅前では菅原の議員辞職を求める市民団体の活動も(撮影:鈴木エイト)
支援者のもとを回っているとの情報は得ていた。そこで筆者とジャーナリストの藤倉善郎氏は菅原の動きを追った。
元秘書・
柴田幸子練馬区議が11月5日に大泉で行った区政報告会、そこに菅原が極秘登場するのではないかと現地取材を行ったが代議士は現れなかった。
〈参照:
菅原一秀元経産相の元公設秘書、柴田さちこ・練馬区議の集会でなぜか取材妨害の大暴れ|HBOL〉
同月17日には、
菅原の妹分と目されている小川けいこ練馬区議が練馬駅併設のココネリホールで区政報告パーティを開いたが、菅原は姿を見せず、政策秘書が代理で挨拶していた。
そんな折、最新の目撃情報によって、菅原の動向が判明した。
練馬区内での菅原の動きについてある情報がもたらされた。菅原は後援者の自宅を回って
会員制月刊誌ベルダ11月号(11月1日発売)の記事「
経産相辞任の陰に小池都知事 内部告発者の元秘書は都民ファースト陣営」のコピーを配り、
経産相辞任に至ったのはある意図を持った元秘書たちの策動によるものだったなどと弁明しているというのだ。
筆者は後援者が菅原から受け取ったという当該記事のコピーを入手した。
記事は「告発の動機は正義感ばかりではない」「
出る杭は打たれる」と前置きし、菅原が経産相辞任に追い込まれた直接の原因となった公設秘書による香典渡しについて「大手紙の政治部デスク」のコメントとして「前の日に秘書が香典を渡していたことを知らずに、最初から自分で葬儀に行って渡す予定だったと解釈できる」などと擁護、「菅原大臣の指示ではなかったことになる」「ミスはミスだけれども、致命傷とまではちょっと言えない。秘書への教育が足りないという批判はできたとしても、公選法違反だから大臣を辞めろとまで迫るのはなかなか厳しかったはずです」と
責任を公設第一秘書のH氏に押し付ける菅原のスタンスに同調する内容だ。
それだけはない。「現秘書にも内部告発者?」との中見出しがつけられ、菅原の「元私設秘書」に、菅原を告発した元秘書2人が「2人とも菅原事務所を退所した後、都民ファーストと縁が深くなっていましてね」と都民ファーストの会の関係者であることを指摘させ「練馬区は、小池百合子都知事が衆議院議員時代の選挙区を一部含んでいて小池色がとても強い。一方、現在の練馬区長は石原慎太郎元都知事の側近だった過去があり、都議会のドンと呼ばれた内田茂元都議とも親しい関係です」「現在の練馬区は小池都知事の対決姿勢が最も鮮明に出ている地域」「2人の元秘書にとって、いかなる形であれ自民党の菅原大臣に傷を負わせることが自軍のポイントにつながっているのです」と”背景”なるものを語らせている。
菅原の辞任劇は
元秘書で現在都民ファーストの会の陣営にいる人物たちの思惑によるものというのが記事の骨子だ。