思い起こすのは
「7人の侍」事件。2016年の都知事選で自民党東京都連の方針に従わず小池百合子を支援した練馬と豊島の区議計7人が党を除名された。この時の練馬区議の一人は現在都民ファーストの会の都議会議員として活動しており、自民党都連会長代行で練馬の自民党区議を取りまとめていた菅原にとって因縁浅からぬ関係にあることは事実だ。また菅原の元秘書の一人も現在、都民ファーストの会に所属し練馬区議会議員となっている。だが
これらを以って元秘書らが菅原の追い落としを狙ったと匂わせているベルダの記事内容に信憑性があるかと問われれば、その答えはノーと言わざるを得ない。
菅原と近しく石原慎太郎元都知事の側近だった現在の前川練馬区長や“都議会のドン”内田茂前都連幹事長・現都連最高顧問との絡みなども書かれてはいるが、どれも
憶測やある意図をもって書かれた飛ばし記事といって差し支えないレベルのものだ。そもそもコメントをしたという「大手紙の政治部デスク」「元私設秘書」が実在するかも怪しい。
記事の末尾では現在の秘書の中にも内部告発者が隠れていることを匂わせている。この記事を真に受けたのか、現在菅原は公設第二秘書のK氏にも疑いの目を向けており、信用しているのは
佐竹京子秘書と政策秘書の
石黒輝彦秘書だけだという。
菅原にとって都合のよいストーリーで構成されたベルダの記事について事情通はこう語る。
「おそらく菅原氏が書かせたものでしょう。こんなマイナーな雑誌を普段から読んでいるとは思えないので」
ベルダの記事に使われている菅原の写真は経産大臣就任日の9月11日に経産省の会見室で撮影されたものだ。この日の会見は
経産省の記者クラブである経産記者会に加盟していないメディアの取材が制限されていた。
〈参照:
統一教会と関係の深い議員が多数入閣。その一人、菅原一秀の経産相抜擢に見る、「菅政権」への布石|HBOL〉
〈参照:
「秘書給与ピンハネ」疑惑の菅原経産相会見、ジャーナリスト2名が「永劫に」出入禁止に|HBOL〉
経産省での会見写真は菅原サイドが提供か(ベルダ11月号より)
ベルダなる月刊誌の記者が会見の取材をしていたとは思えず、ベルダに掲載された写真が通信社から購入したのであればその旨のクレジット表記があるはずだが……。
菅原に関しては大臣辞任直後、
携帯電話の番号を知るメディア関係者に片っ端から電話をかけ、香典を持っていかせた秘書とのLINEのやり取りを開示、全責任を押し付けていたとの情報もある。
さらに菅原が支援者に送っていた文書も入手した。経産相辞任の翌日付けで作成され、何故か「事務連絡」と印字されている。
「この度の経緯につきましては、おって皆様にきちんと説明申し上げたいと考えております」
文書にある「経緯」「説明」というのが、ベルダの記事のコピーを手渡しして行う弁明ということになる。
辞任翌日の日付で後援者に出された菅原の弁明文書