「桜を見る会」招待枠における、首相の地元・下関での差別的対応
田辺よし子・下関市議
「
桜を見る会問題」を野党が連日追及する中、安倍政権の支持率が5~7%下落した。
公金投入のイベントに安倍後援会関係者が850人も参加、「お友達優遇」「税金私物化」などと批判されているのだ。
安倍首相の
地元下関からも批判の声が出ている。
首相関連企業の談合疑惑など
地元の優遇政治を追及してきた
田辺よし子市議(無所属)は、
「桜を見る会」における“差別的対応”について怒りを露にしていた。
「税金を使った『桜を見る会』への招待で、
自民系下関市議に声をかけ、私を含めた
非自民系市議は排除した。
国政選挙や地方選挙で実働部隊となる系列市議への明らかな利益供与に当たり、選挙民への寄付(買収)を禁じた公職選挙法違反の疑いが濃厚です。
下関市民を差別したことにもなります。選挙で市民の代表として選ばれたのが市議会議員なのですから」
2017年3月の下関市長選では、安倍首相の秘書を7年半務めた元下関市議の
前田晋太郎候補(市長)と、林(芳正・元農水大臣)派で3選を目指した中尾友昭候補(前市長)が激突。安倍首相が全面支援をした前田氏が初当選したが、下関市議も安倍派と林派に分かれて田辺氏は中尾氏支援に回った。
「地元下関では安倍首相と林元大臣がライバル関係にありますが、両者の代理戦争のような下関市長選で汗をかき、
首相直系(元秘書の)前田市長誕生に貢献した安倍派市議へのご褒美、論考褒章のように見えます。林派の中尾氏を応援した私には、『桜を見る会』の案内は来なかったのです」(田辺氏)
地元下関で安倍首相(左から2人目)と林芳正・元農水大臣(右から2人目)はライバル関係にあり、下関市議会は安倍派と林派に分かれている。写真は2012年の山口県知事選
地元・下関での差別的対応については『毎日新聞』も11月19日に、「
桜を見る会 下関市議枠 安倍事務所から申込書」と銘打った記事を一面トップで出した。
「首相の地元・山口県下関市の複数の自民系市議が、安倍事務所名の参加申込書で自身の支援者を招待していたことが18日に判明(中略)。一方、共産や公明など非自民の複数の市議は『用紙をもらったことがない』と話す。野党の市議は
『自民が公的行事を支持固めに使っている』と批判した」
「桜を見る会」には下関市議だけでなく、下関を選挙区とする友田保・山口県議ら安倍派県議も参加していた。彼ら安倍派地方議員が動くのは下関市長選だけではない。
国政選挙や、山口県知事選・山口県議選などの選挙でも実働部隊になる。「桜を見る会」への招待は、選挙でお世話になった地方議員への首相からの“お礼”のように使われているのだ。