Nゲージやプラレール、運転体験も! 大人も子供も楽しめる、鉄道事業者運転所一般公開<コロラド博士の「鉄分補給」>

 前回まで3回()に渡って取り上げてきたJR四国高知運転所の一般公開、4回目となる今回は、最終回の屋内展示編です。

大人と子供も楽しめるNゲージ、HOゲージ鉄道模型と写真展示

高知運転所Nゲージ・HOゲージ鉄道レイアウト

高知運転所Nゲージ・HOゲージ鉄道レイアウト2007/10/20撮影 牧田寛
長机6枚にレイアウトパネル(コンパネ)を置いた鉄道レイアウト。最外周は被害担当のHOゲージ

 事務棟内の一室には、大勢の大人と子供が集まっていました。ここでは鉄道イベント定番の鉄道模型の展示と写真の展示が行われていました。  写真のようにNゲージ(線路の幅が9mm)の鉄道レイアウトで、高架の上を新幹線が疾走していました。そして最外周をHOゲージ(線路の幅が16.5mm)のペーパークラフト南風号(アンパンマン水色)が疾走していました。  Nゲージ鉄道模型は、職員の私物とのことで、子供が手を出して壊さないように最外周を被害担当のHOゲージにしているとのことでした。このレイアウトは、細かなところは毎年少しずつ変わりましたが、基本は一緒でした。  2008年からは、HOゲージのパワーパック(運転制御装置)が運転台型にかわり、子供達に運転させてくれるようになりました。写真で制帽をかぶせてもらって運転しているのは、筆者の息子です。希望者が写真手前後ろにズラリと並んでいるので、ストップウォッチで時間を区切っていました。
HOゲージ運転体験が加わった2008年

HOゲージ運転体験が加わった2008/10/18撮影 牧田寛
最外周の被害担当HOゲージを運転体験に利用。アンパンマン水色とアンパンマンピンク列車のペーパークラフトが活躍。写真は、アンパンマン水色
外周にお触り防止のアクリル製バリアが増設されていますが、やはり心許ないです

高知運転所Nゲージ・HOゲージ鉄道レイアウト2010年

高知運転所Nゲージ・HOゲージ鉄道レイアウト2010/10/16撮影 牧田寛
この年は、新幹線にE4Maxが登場。これだけの編成は見事と言うほかありません。
職員さんが、HOゲージをアンパンマンピンクに交換中です

2017年に突然の規模縮小! 何があったのか?

 ただ、2017年には突然規模が縮小されて、検修車庫内でHOゲージ鉄道模型運転体験に変わっていました。
検修車庫内でHOゲージ運転体験となっていた2017年

検修車庫内でHOゲージ運転体験となっていた2017/10/28撮影 牧田寛
Nゲージの持ち主がキハ54と一緒に異動してしまったらしく規模が大幅縮小していました

 Nゲージを破壊されて持ち主が悲嘆に暮れているのかと心配しましたが、翌年宇和島運転区の一般公開を取材すると、明らかに同じ新幹線高架橋の鉄道模型がそこにはあり、操作している職員さんも高知で操作していた方のようでした。おそらく異動されたのでしょう。  宇和島運転区では、ものすごい力作の固定レイアウトの周りで新幹線が走り回り、32形ミニミニ新幹線0系気動車と、新幹線N700系の夢の共演となっておりました。
宇和島運転区の鉄道模型展示

宇和島運転区2018/11/04撮影 牧田寛
高知運転所のNゲージは何処へ行ったと心配していたら、宇和島運転区に新幹線が引っ越していました。
その内側をキハ32鉄道ホビートレイン。
内側の固定レイアウト(ジオラマ)は、芸術の域。日本のNゲージは縮尺1/150(在来線)です。
触り防止用の被害担当HOゲージもアクリルバリアもないのでそれが心配でした

 このように鉄道模型展示は、地域色が強く出ており、宇和島運転区では田舎のローカル線を模した固定レイアウト、多度津工場では、鉄道工場風景となっていました。また、JR貨物の模型展示では、当然ながら貨物列車しか走っていませんでした。多度津では、鉄道ファンによるレイアウトが別にあり、走行会を行っていました。
多度津工場JR貨物展示2018年

多度津工場JR貨物展示2018/10/28撮影 牧田寛
多度津工場一般公開でのJR貨物による展示。
車両は貨物列車のみで、見事と言うほかありません

多度津工場JR四国展示2018年

多度津工場JR四国展示2018/10/28撮影 牧田寛
多度津工場一般公開でのJR四国による展示。
工場を再現しているが、なぜか最外周を新幹線が疾走。
触り事故防止のために鎖を張っていました。

多度津工場展示館常設展示

多度津工場展示館常設展示2018/10/28撮影 牧田寛
展示館の常設展示ですが、なぜかJR東日本の新幹線E5系が走っていました

多度津工場食堂での鉄道ファンによる展示と走行会

多度津工場食堂での鉄道ファンによる展示と走行会2018/10/28撮影 牧田寛
多度津工場では、一般の方達がNゲージを持ち寄って壮行会をしていました。
この建物は、旧海軍の西条飛行場の格納庫で、昭和23年に移設されたものです。現在は、食堂として使われています。イベント中は舞台でスマイルえきちゃんが踊ったりします。

 徳島運転所の一般公開は、いまだに未見ですが、ずば抜けて規模が大きいのは、松山運転所のもので、間取りが広くとれるであろう郊外移転後の来年以降に期待大です。
次のページ
未就学児も大歓喜のプラレールコーナー!
1
2
3
バナー 日本を壊した安倍政権
新着記事

ハーバービジネスオンライン編集部からのお知らせ

政治・経済

コロナ禍でむしろ沁みる「全員悪人」の祭典。映画『ジェントルメン』の魅力

カルチャー・スポーツ

頻発する「検索汚染」とキーワードによる検索の限界

社会

ロンドン再封鎖16週目。最終回・英国社会は「新たな段階」に。<入江敦彦の『足止め喰らい日記』嫌々乍らReturns>

国際

仮想通貨は“仮想”な存在なのか? 拡大する現実世界への影響

政治・経済

漫画『進撃の巨人』で政治のエッセンスを。 良質なエンターテイメントは「政治離れ」の処方箋

カルチャー・スポーツ

上司の「応援」なんて部下には響かない!? 今すぐ職場に導入するべきモチベーションアップの方法

社会

64bitへのWindowsの流れ。そして、32bit版Windowsの終焉

社会

再び訪れる「就職氷河期」。縁故優遇政権を終わらせるのは今

政治・経済

微表情研究の世界的権威に聞いた、AI表情分析技術の展望

社会

PDFの生みの親、チャールズ・ゲシキ氏死去。その技術と歴史を振り返る

社会

新年度で登場した「どうしてもソリが合わない同僚」と付き合う方法

社会

マンガでわかる「ウイルスの変異」ってなに?

社会

アンソニー・ホプキンスのオスカー受賞は「番狂わせ」なんかじゃない! 映画『ファーザー』のここが凄い

カルチャー・スポーツ

ネットで話題の「陰謀論チャート」を徹底解説&日本語訳してみた

社会

ロンドン再封鎖15週目。肥満やペットに現れ出したニューノーマル社会の歪み<入江敦彦の『足止め喰らい日記』嫌々乍らReturns>

社会

「ケーキの出前」に「高級ブランドのサブスク」も――コロナ禍のなか「進化」する百貨店

政治・経済

「高度外国人材」という言葉に潜む欺瞞と、日本が搾取し依存する圧倒的多数の外国人労働者の実像とは?

社会